「ゲヴァントハウス管とブルックナー」
これは言うまでもありません。「第7交響曲」はGHOが世界初演をしていますし、これまで数々のカペルマイスターや客演指揮者たちがGHOでブルックナーの名演を遺してきました。最近でいえば、ブロムシュテットが指揮した演奏。特に2002年に(今回も演奏される)「第5交響曲」の演奏は空前絶後、奇跡な大演奏としてファンの記憶に残っています。複数の旋律が同時に鳴り、絡み合い、呼応する対位法音楽から巨大にして深遠な音楽が生まれ、満場の聴衆が圧倒されました。
現在ネルソンスがGHOと進めているブルックナーの交響曲レコーディング・チクルスでも、繊細にして剛健、あたたかく抑制を聴かせながらも劇的な演奏を聴かせています。
「ソリストのこと(1)・・・バイバ・スクリデ(ヴァイオリン)」
ネルソンスと同郷、ラトヴィアのリガ生まれ(ギドン・クレーメルやミッシャ・マイスキーらもこの街の出身)のバイバ・スクリデは、2001年にエリザベート国際コンクールで優勝。以来、世界的活躍を続け、ソリストとしてだけではなく、弦楽四重奏団を組んだり、室内楽にも積極的な部分が目を引きます。
滑らかで美しい音色、自然で素直な音楽の発露、弾いている楽曲をみつめる冷静な視線、高度に洗練された技巧など、知・情・意ともに非常にバランスのとれた演奏が、強烈、というよりもじっくりと聴きたくなるヴァイオリニストです。
同郷ということを超えて、ネルソンスに信頼されているのでしょう。近年も共演がとても多く、↓ネルソンス指揮ベルリン・フィルとの映像が残されていますので、ぜひご覧ください。
(ショスタコーヴィチ: ヴァイオリン協奏曲第1番 フィナーレから)
(ベルク: ヴァイオリン協奏曲から)
「ソリストのこと(2)・・・トーマス・ハンプソン」
今回、ハンプソンが歌うマーラーの歌曲を聴けるのは6/2大阪公演のみ!
かつて一世を風靡したバリトン歌手、ハンプソンによる「子供の不思議な角笛」や「さすらう若人の歌」が久々に聴けます。マーラー自身も何度も指揮したGHOとともに。オペラ界のスター歌手として名高く、METの「マスタージンガー」、ウィーン国立歌劇場の「宮廷歌手」、フランス政府からの「コマンドゥール」などの称号を得るほどの活躍と実績を残したハンプソンは(日本で歌った「フィガロの結婚」の伯爵などの名唱!)、歌曲の分野でもバーンスタインやサヴァリッシュらの名指揮者に重宝され(育てられ)ました。
オーケストラの音色の変化とともに、マーラーの歌のもつ爽やかさやアイロニーを繊細に、そしてスケール大きく歌うハンプソンの歌が久々に聴けます。
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