前回の続き、今度は2日後の定期公演@ヴィクトリアホールです。
プログラムは打って変わって、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と、マーラーの交響曲第6番「悲劇的」。
さあ、日本の若手ヴァイオリニストを代表する辻彩奈の登場です!ご覧の通り、張り切っております(^^)
リハーサルから立ち会いましたが、彩奈さんは、誰もが知っている名曲に対して自分のアプローチを大切にしつつ、攻めの姿勢を崩さずに頑張っていました。マエストロ・ジョナサン・ノットからこの曲は「アパッショナート!(熱情を!)」と言われていた通り、彼女の演奏には一段とその要素が加わって、RH→公開GP→本番と回を重ねるごとに進化していったと思います。マネジャーの贔屓目無しに素晴らしい演奏だったと思います。マエストロもコンマスも御満悦でしたし、事務局長のマガリさんからも彼女の本格的な欧州デビューに対してお褒めの言葉を頂けました。また、終演後のレセプションでもマーラー協会の方々が大勢いたのですが、本当に多くの方々から彩奈さんに対しての賛辞のメッセージをもらいました。ぜひ、東京、大阪での演奏にも期待して頂きたいです!
そして後半、マーラーの交響曲第6番 「悲劇的」。ここでスイス・ロマンド管弦楽団のもつ現在のポテンシャルを感じました。
まず管楽器が全パート充実しています。マーラーの音楽は色彩が重要な要素なので、これは大事なこと。いわゆるスタープレイヤーはいないかもしれませんが、とにかく皆ハイレベルな腕前で聴き応え十分。特にホルン、トロンボーンは良かったですね!
そして弦楽器は各セクションともに充実していて、今回のプログラムの中でも一番の出来だったかもしれません。管楽器含めて極めてすべてに明晰な演奏。もちろんマエストロ・ノットがマーラーのスペシャリストでもあることが大きく影響していると思います。
「第6」といえば終楽章のハンマー(木槌)が有名ですが、それを振り下ろす打楽器プレイヤーがまた高身長なので迫力満点だったのも付け加えおきたいと思います。
そして今のスイス・ロマンド管は18か国の国籍の人々が集う集団。日本人プレイヤーは3人います。そのうちの一人、1stヴァイオリン奏者である小野さんによれば、「長年オーケストラのメンバーでいると良い時もあれば悪き時もある。それは音楽監督との関係にもよるし、歳を重ねたメンバーが多すぎるときもあって理由は様々。しかしながら、今スイス・ロマンド管はとても上り調子の時期にあると感じています。今のこのオーケストラを日本の聴衆に聞いてもらえることは、日本人の楽員としてとても光栄なことです」と仰っていました。
2回の定期公演・・・全然違う対照的な2つのプロを聴き、マエストロが言う通り、日本公演において、可能ならぜひ2公演ともたくさんの方々に聴いていただければ、と強く思いました。
【スイス・ロマンド管ページはこちら】
【チケットのお申込みはこちらまで】