世界最高のオーケストラの一つ、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団。「ビロードのような弦」「際立った個性的な木管」「黄金の金管」と、自らプロフィールに記していますが、それはまごうことなき真実。これらが渾然一体にブレンドされ、えも言われぬ美麗で豊穣、奥行きのある柔らかい音を発する・・・これは数々の名画と同じくオランダ文化の美点でもあり、同時に私たちがイメージするヨーロッパ文化の体現でもあります。
音楽ファンがこよなく愛するロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団は、今秋11月、パーヴォ・ヤルヴィの指揮で来日。そしてカジモト・イープラス会員限定先行受付は3/31(日)からスタートです!
[パーヴォ・ヤルヴィ指揮 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団]
11/18(月)19時 サントリーホール
11/22(金)19時 ミューザ川崎シンフォニーホール
ワーグナー: オペラ「タンホイザー」序曲
ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op.19 (ピアノ: ラン・ラン)
ブラームス: 交響曲第4番 ホ短調 op.98
11/19(火)19時 サントリーホール
ベートーヴェン: 交響曲第4番 変ロ長調 op.60
ショスタコーヴィチ: 交響曲第10番 ホ短調 op.93
(11/18)S¥33000 A¥28000 B¥23000 C¥18000 D¥14000
プラチナ券¥38000
(11/19)S¥32000 A¥27000 B¥22000 C¥17000 D¥13000
プラチナ券¥37000
(11/22)S¥32000 A¥27000 B¥22000 C¥17000 D¥13000
カジモト・イープラス会員限定先行受付
3/31(日)12時 ~ 4/3(水)18時 ●お申し込み
一般発売
4/13(土)10時~ ●お申し込み
先日、NHK-BSで鬼才指揮者トーマス・ヘンゲルブロックが指揮するロイヤル・コンセルトヘボウ管(RCO)の地元公演がオンエア、メンデルスゾーンの交響曲「イタリア」やリストのピアノ協奏曲第1番(Pf: エフゲニー・キーシン)などが演奏されていましたが、ヘンゲルブロックの古楽的な要素を注入する指揮にRCOは
ヴィヴィッドに反応しつつ、自分たちの美質(音)は充分に出して決して損なわない、という絶妙のバランスをみせており、すっかりそれに感じ入りました。
そう、この名門はどんなタイプの指揮者が来ても、彼らの個性はしっかり受け入れ消化もするけれども、完全に指揮者に隷従することはなく、さりとて反対に指揮者たちを自分たちのキャパシティに飲み込んでしまうこともなく(両方のパターンが、あちらこちらで結構見られます)、その時その時で最適なバランスをとって現実の演奏とするのです。
そのあたり、実に大人のオーケストラだなあ、もちろん力がそれだけあるからだけれど、と思うのは私だけではないのではありますまいか。
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さて、思わぬことが起きたおかげで、現在は首席指揮者不在になってしまったRCO。が、以前ヤンソンスが辞任した後しばらくもそうだったように、先に書いた「大人」なゆえ、逆にたくさんの客演指揮者たちを招いて様々なケミストリーを楽しいでいるようにも思えます。
そんな中の一人が今回、日本公演の指揮をするパーヴォ・ヤルヴィ。
彼の日本での旺盛な活躍(なんといってもN響の顔としての。そしてドイツ・カンマーフィルやパリ管、hr響との来日など)は改めて説明するまでもないと思いますが、恵まれた音楽センス、能力のキャパシティ、先鋭的で思い切ったチャレンジも辞さない、現代きっての指揮者の一人です。
これまでパーヴォがRCOに客演したのは、数年おきに3回(その都度2~3公演)ですが、以下の曲を指揮しています。
2004年4月 バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」
ニールセン「交響曲第5番」
サーリネン「交響曲第8番」
2007年9月 バルトーク「管弦楽のための協奏曲」
ベートーヴェン「フィデリオ」序曲、「ピアノ協奏曲第5番・皇帝」
2015年12月 ブリテン「ヴァイオリン協奏曲」
ラヴェル「クープランの墓」「ダフニスとクロエ 第2組曲」
古典と近現代を担当したのですね。パーヴォの長所を考えるとわかるような気がします。
今回の来日公演では、ベートーヴェン、ワーグナー、ブラームス、ショスタコーヴィチですから、まずこれまでの客演ではなかったブラームスやワーグナーはどんな風に響くのでしょう?!
ブラームスはベートーヴェン同様、パーヴォがこれまで私たちに見せてきたHIP(Historical Informed Performance)のスタイル・・・古楽演奏のスタイルを踏襲した歯切れのよいスリムなスタイルが想像できるとはいえ、オーケストラはベイヌムやヨッフム、ハイティンクらの巨匠らとブラームスでは数多くの名演を披露してきたRCO。そのふくよかな美点を損なうことなくパーヴォ流と合体するというのはどのような?
興味津々です。
近年、モーツァルトやベートーヴェンなど古典音楽に力を入れ、あの華麗なエネルギーを放射するセンス満点のラン・ランとのコラボレーション(特にベートーヴェン最初のピアノ協奏曲第2番のアイディアづくめの音楽であればさぞや!)もまさに三つ巴で楽しみなところですが、最大の関心はショスタコーヴィチの「第10交響曲」ではないでしょうか?
パーヴォがN響を指揮し、ヨーロッパ・ツアーでも演奏した同曲は、このコンビでも最高の、しかも恐ろしいくらいの緊張感を湛え、異常なくらいのボルテージをもったものでした。そしてRCOにとってのショスタコーヴィチも、作曲家の生前からかなりの頻度で演奏されたレパートリーでしたし、1970~80年代にかけてハイティンクがRCOとロンドン・フィルで(当時の)西側ヨーロッパ初の交響曲全集を録音したこともよく知られる通り、得意なフィールドに入ります。
過去、パーヴォにバルトークなど近代音楽での客演指揮を任せていたように、これは双方にとって満を持した選曲ではないか、と想像を膨らまさずにはいられないのです。
ヴィルトゥオージティ、深み、先鋭さがとけあって、人の世の深淵をのぞき込むような演奏に・・・。
稀少な組み合わせのこの機会、どうぞ楽しみにしていてください!
(A)
特設サイト http://www.kajimotomusic.com/rco2019/
【チケットのお申込みはこちらから】
カジモト・イープラス会員限定先行受付
3/31(日)12時 ~ 4/3(水)18時 ●お申し込み
一般発売
4/13(土)10時~ ●お申し込み
コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏動画はこちら↓
https://www.concertgebouworkest.nl/en/video