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2017/09/19 | KAJIMOTO音楽日記

●米国オーケストラの威信をかけて、古豪立つ!―― 新音楽監督ズヴェーデンと来日するニューヨーク・フィルの先行発売がスタートします。


台風一過。より秋らしさを増し、先日のウィーン・リング・アンサンブルに続き、年明け公演第2弾。3月来日のヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(ピアノ: ユジャ・ワン / ヴァイオリン: 五嶋龍)のカジモト・イープラス会員限定先行受付が、9/21(木)から始まります。


[ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィルハーモニック]
2018年
3月13日(火)19時 サントリーホール
3月14日(水)19時 サントリーホール

(チケット料金・両日共)
S¥30000 A¥26000 B¥22000 C¥16000 D¥9000 プラチナ券¥35000

カジモト・イープラス会員限定先行受付
9/21(木)12時 ~ 24(日)18時  ●お申し込み
一般発売
9/30(土)10時~  ●お申し込み


名門シカゴ響やフィラデルフィア管、ボストン響は日本で言うと、ちょうど大阪や名古屋、仙台といった政令指定都市クラスの街にあるオーケストラ、ということになるでしょうか。(?)
もちろん都市とはいえ、ゆったり育むことができそう。その感じでいくと、ニューヨーク・フィル(NYP)は東京のそれ。ニューヨークも東京も国の中心であり、様々な人間が流入し、“るつぼ”の都市。そこには良くも悪くも爛熟した繁栄があり、洗練もあればパワフルでもある。ニューヨーク・フィルはそんな大都会――アメリカの中心にあるオーケストラ。メジャーオケとしてはニューヨーク唯一です。(東京には8つもありますが)

そのNYPはアメリカ最古の楽団でもあります。1842年設立ということは、ちょうどウィーン・フィルと同じで(!)、NYPはドヴォルザークの「新世界交響曲」をはじめとする世界初演や、アメリカでの名曲の初演を一身に担ってきました。もちろん歴史を下れば、マーラーや、大戦で亡命したトスカニーニやブルーノ・ワルター、ジョージ・セルらが指揮をし、ホロヴィッツ、ルービンシュタインらの大ピアニスト、ハイフェッツやミルシテインらの大ヴァイオリニストが協奏曲を共演しました。輝かしい歴史です。
・・・と考えると、NYPの団員だって元々はヨーロッパから渡ってきた人たちが多いのですよね。そこに地元の音楽家たちが加わって、ヨーロッパ的なものと現地の風土が混じりあいながら発展し、NYPの音が確立されていきました。



さて、NYPの音楽監督も時代によって変わっていきます。
黄金時代と言われた1970年代のレナード・バーンスタインの頃からブーレーズやメータ、マズアやマゼールを経て、今年までは(両親ともがNYPのメンバーだった)俊才アラン・ギルバートがそれを務めていたわけですが、昨年、後任がヤープ・ヴァン・ズヴェーデンに決定。世界を驚かせました。
他にも色々な候補、それも相当ビッグな有名指揮者も下馬評にあがっていましたが、ズヴェーデンが!

もちろんズヴェーデンは既に名指揮者として知られていますし、メンバーが彼を信頼してそう決めたわけですから、何ら問題はないのですが、さてここからは私の想像です・・・。

ズヴェーデンはかつてハイティンク時代の(アムステルダム・)コンセルトヘボウ管弦楽団において、名コンサートマスターの呼び声高かった人で、90年代くらいから指揮者に転向します。コンサートマスター出身の指揮者というのは、まずオーケストラを統率するのに長けています。なにせ、それこそがコンマスの役目ですから・・・コンマス出身の指揮者といえばたくさんいますが、古くはミュンシュ、近年ではサカリ・オラモとか・・・加えて、「こう弾いたら、こういうフレーズが、こういう音色が実現できる」という具体的な指示ができます。NYPというオーケストラは悪く言うとじゃじゃ馬――一人ひとりが腕利きであるがゆえにパワフルになりすぎて、全体の統一が難しい。けれど一旦まとまれば無類のサウンドを響かせる強者集団ですから、ズヴェーデンのような人選を考えたのではないでしょうか?振り返ればメータやマズア、指揮のテクニックにおいては抜群のマゼールですら、制御がきかない状態のNYPを(もちろんたまにですが)来日公演で聴いたことがあります。
そしてこれは聞いた話でしかないのですが、地元のジャーナリストさんたちの話によれば、ズヴェーデンが指揮するNYPの、例えばチャイコフスキーの交響曲は、彼の古巣コンセルトヘボウ管を思わせるような豊饒なサウンドを響かせるそうです。
彼のレコーディングの中でも名高い、オランダ放送フィルとのブルックナーや、香港フィルとのワーグナーなどでも、確かにそういう傾向が聴き取れます。(彼の指揮者キャリアの最初期におけるハーグ・レジデンティ管との演奏とは雲泥の差があります)

ぜひ期待しようではありませんか!ズヴェーデンとNYPの新コンビ。




そしてそれぞれの日の協奏曲にもぜひ注目を。

五嶋龍が弾くメンデルスゾーンはすでに「定番」ですし、
ユジャ・ワン・・・昨年のリサイタルでベートーヴェン「ハンマークラヴィーア・ソナタ」を聴いた方なら、今回のブラームス、すごく楽しみなのでは。「よく弾ける」だけではどうにもならない彼のピアノ協奏曲。ユジャが昨年聴かせたあの信じ難く高い境地が、ここでNYPと交わるのであれば・・・。
こちらもぜひ楽しみにしようではありませんか。


■チケットのお申込みはこちらまで

カジモト・イープラス会員限定先行受付
9/21(木)12時 ~ 24(日)18時  ●お申し込み
一般発売
9/30(土)10時~  ●お申し込み
 

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