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2017/05/19 | KAJIMOTO音楽日記

●アニバーサリーづくめの日本ツアー!――ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管 with カヴァコス、先行発売まもなくスタート。


先週から、今秋来日のガッティ指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管、シャイー指揮ルツェルン祝祭管とチケット発売が始まり、おかげ様で好評をいただいております。ありがとうございます。
さあ、今週はもう一つの名門オーケストラの発売が続きます。ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 with レオニダス・カヴァコスの先行受付が5/25(木)から始まります!

[ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団withレオニダス・カヴァコス(Vn)]
11月11日(土)15時 サントリーホール
11月12日(日)15時 サントリーホール

カジモトイープラス会員限定先行受付
5月25日(木)12時 ~ 28日(日)18時  ●チケットのお申し込み
一般発売
6月4日(日)10時~  ●チケットのお申し込み




ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団は今年で創設275年・・・275年前というと、日本では江戸時代中期(将軍・徳川吉宗の享保の改革の頃)、ヨーロッパだとフランス革命より前で、モーツァルトも生まれていない・・・その頃に貴族ではなく音楽好きの市民たちによってオーケストラができた、というのは考えてみるとすごいことですね。
そしてマエストロ・ブロムシュテットは90歳・・・なんという元気なエネルギーあふれる90歳!275周年のオーケストラを90歳のマエストロが指揮します。今回の日本公演は重みが違いますね。



そうしてみると、名手レオニダス・カヴァコスが今年50歳というのもまだまだ・・・という気になってしまいますが、若くしてギリシャの名ヴァイオリニストとして羽ばたいた彼がもう50になり、ツィンマーマンやテツラフ、シャハムらと共に現代ヴァイオリニストのトップグループの一角を成す存在となっていることは感慨深いです。

さてブロムシュテットはゲヴァントハウス管の前任カペルマイスターであって、現在も名誉カペルマイスター。今も毎シーズン客演していますし、ここ10年ほどでこのコンビはブルックナーの交響曲全集も録音し、現在は新しいベートーヴェン・チクルスも進行中。こうして変わらぬ親密なパートナーシップを保っていて、シャイーとの活動で明るくモダンになってきたと言われるゲヴァントハウス管も、ブロムシュテットが振ると、ずっしり重厚で、いかにも「ドイツ」を感じさせるオーケストラに戻ります。
「戻ります」と言っても、昔からするとこのオーケストラの緻密さは桁違いにアップしました。そもそもはブロムシュテットが1990年代にカペルマイスターに就任してから起こり始めた変化の帰結です。

しかし、このコンビの来日公演というのは2005年以来12年ぶりになりますが、(個人的に)思い出すのは2002年の来日公演。この時のプログラムのひとつに、サントリーホールでやったシベリウス「第7交響曲」とブルックナー「第5交響曲」というプロがあり(長い!)、これはNHK-TVでも放映されましたが、深い森のような空気が通底する2曲、特に後者のすさまじい両者の集中力とエネルギーに、網の目のような対位法で織りなす旋律たちが一本一本沸き立ち、深い祈りとともにそれらが統合して、峻厳に光り輝く大伽藍と化す、といったモニュメンタルな演奏を今でも脳裏に浮かび上がらせることができます。当時弊社にいた無類のブルックナー好きの上司が、「史上最高のブルックナーだ!」と興奮していた姿とともに(笑)。

その後のブロムシュテットにフォーカスしますと、このマエストロの好奇心や向上心の衰え知らずにはまったく驚かされるばかり。昨年のバンベルク響とのベートーヴェン、そしてシューベルトの演奏では、テンポやフレージングがそれまで(マエストロの指揮で)聴いてきたものとは大きく違ったものになっています。例えば、シューベルトの「未完成」交響曲の第1楽章、チェロが奏でる有名な歌謡的な第2主題をノン・ヴィブラートで演奏させ、周囲の他の弦楽器が普通にヴィブラートをかけて弾いている中、何か異邦人が孤独にさまよっている、という不思議な空気を作り出していました。こうして絶えず楽譜を、対峙する音楽の研究を怠らず、発見をし続け、新しい表現を試みる・・・この90を迎えるマエストロにはまったく頭が下がります。


真摯たることこそ無上の喜び」。
これはゲヴァントハウス管が長きにわたり受け継いできたモットーで、彼らの本拠地ライプツィヒのゲヴァントハウス(コンサートホール)の舞台後方にも掲げてあります。この言葉は、マエストロ・ブロムシュテットとのコンビにこそ最も相応しい、と思うのは私だけでしょうか?

ところで、今回の曲目はかねてからご紹介してきました通り、このゲヴァントハウス管がかつて作曲家の生前、あるいは没後しばらくして世界初演してきた曲ばかり。
メンデルスゾーンとブラームスのヴァイオリン協奏曲に、シューベルトの交響曲「ザ・グレイト」、ブルックナーの「第7交響曲」です。
「自分たちが初演した」という言葉には、当然相当な誇りがあるわけで、ぜひそうした彼らのDNAから発しわき上がる“本物”を、多くの方々と会場で分かち合えれば、こんなに嬉しいことはありません。


■チケットのお申し込みはこちらまで

カジモトイープラス会員限定先行受付
5月25日(木)12時 ~ 28日(日)18時  ●チケットのお申し込み
一般発売
6月4日(日)10時~  ●チケットのお申し込み
 

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