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2017/05/15 | ニュース

◆佐藤俊介 オランダ・バッハ協会の次期音楽監督に決定!




2013年よりオランダ・バッハ協会のコンサートマスターを務めている佐藤俊介が、同協会音楽監督の後任者に正式に決定いたしました!音楽監督の活動を始めるのは現監督のヨス・ファン・フェルツホーフェンが去った2018年6月1日からになります。2021/22年シーズンに100周年を迎える同協会を33歳(音楽監督就任時)の佐藤俊介が率いていくことになります。

現地紙 記事より
http://www.volkskrant.nl/muziek/japanse-violist-sato-32-is-verrassende-nieuwe-leider-van-bachvereniging~a4493931/


(以下、邦訳)
佐藤俊介(32)、オランダ・バッハ協会の新リーダーとして異例の抜擢

奏者たちの頂点に立つ指揮ではなく、奏者たちの中にあって指揮する佐藤氏

日本人ヴァイオリニスト佐藤俊介氏(32)のオランダ・バッハ協会新音楽監督としての就任は異例の抜擢である。彼は表現豊かで同時に知的直感的な演奏をする。嫌悪さえ感じさせる音も、曲がそれを必要としていると判断すれば、少しも臆せず弾いて見せる。
(マルライン・ケルクホフ記者 - 2017年 5月 11日午前 2時)

日本人ヴァイオリニスト佐藤俊介氏(32)が、オランダ・バッハ協会の新音楽監督となる。2018年6月に、現監督ヨス・ファン・フェルツホーフェンの後をこのヴァイオリニストが引き継ぐ。ファン・フェルツホーフェンは、このバロック管弦楽団及び合唱団を1983年からその指揮下に置いてきた。佐藤氏は、オランダ音楽界で最も名声かつ権威あるポジションに就任するわけだ。オランダ・バッハ協会は、毎年ナールドンで開かれる恒例のバッハ「マタイ受難曲」コンサートで有名である。

佐藤氏の抜擢には、いささかの驚きが伴う。ヨス・ファン・フェルツホーフェンが指揮台の上から、その身振りでどう演奏すべきかを奏者たちに指示する従来的指揮者だからだ。佐藤氏はそれとは全く違う。第一ヴァイオリン首席奏者の場から、オーケストラを導く。佐藤氏は2013年からバッハ協会のコンサートマスターで、ここが彼の慣れ親しんだポジションである。

楽団を率いる責任を楽器奏者の一人に託す、この選択をしたことでオランダ・バッハ協会はヨハン・セバスチャン・バッハ(1685-1750)がその時代に行った演奏により近づく道を選んだわけだ。 ドイツ、テューリンゲン生まれのこの偉大な作曲家は、おそらくヴァイオリニストあるいはチェンバロ奏者として他の演奏者たち全体を指揮していた。現在ならマエストロと尊称を与えられるポジションだが、当時はまだそのようには認識されていなかった。

このやり方で佐藤氏はバッハ協会をすでに何度も指揮している。これらのコンサートはどれも上々で、この実績が今回の抜擢理由である。また将来が期待される同氏の若さ、それに同僚の演奏家たちから好かれていることも抜擢の理由だろう。加えて佐藤氏が日本人であることも、(バッハをプロモートしている鈴木雅明氏の存在からもわかるように)オランダ人同様に熱烈なバッハファンの多い日本は、商業的プラス要因でもある。これまでオランダ人ばかりだったこのポジションに外国人が選ばれたことは驚くに当たらない。クラシック音楽界もプロサッカー同様、実力ある者は国境を越えてますます活躍する国際的な場所になっている。

しかし佐藤氏は生粋の日本人というわけではない。東京生まれの同氏は、幼い時にすでに日本を離れている。4歳の時には父親が博士課程研究を行っていた米国フィラデルフィアに住んでいた。幼児期にヴァイオリンを手にした佐藤氏は、モーツァルト、バッハそしてベートーヴェンのとりこになってしまったのである。

同氏はニューヨークのジュリアード音楽院で学び、フランスのパリ、ドイツのミュンヘンと様々な音楽教育を経験し、特にヨーロッパでは、作曲された時代の(古)楽器やその演奏法を再現した「歴史的考証に基づく演奏」と呼ばれる音楽運動と出会う。

佐藤氏は、昨年10月のチェロ・ビエンナーレでブラームスのソロも素晴らしく演奏して見せた。それでもなお、彼の本領は古典音楽だ。アムステルダム音楽院でバロック・ヴァイオリンを教え、コンチェルト・ケルンでもコンサートマスターである佐藤氏は、リスクを冒すことは少しも恐れない。

衝撃的な演奏
その演奏を聴けば、魂を鷲掴みにされるか、茫然自失の衝撃を受ける。


マタイ受難曲中のアリア「憐れみ給え、わが神よ」での佐藤氏のソロ演奏を聴いた者は、魂をぐっと鷲掴みされ絶句するか茫然自失の衝撃を受ける。氏の演奏は直感的かつ表現豊かで、曲が必要としていると判断すれば、聴衆には嫌悪さえ感じさせる音でも少しも臆せず弾いて見せる。

「コンサートマスターとしてバッハ協会でスタートしたその日から、物怖じせず伸び伸びと演奏できました」と佐藤氏は言う。「素晴らしい音楽家が集まって一つのチームとなっています。バッハ協会は、ヨス・ファン・フェルツホーフェンが35年間じっくりとプロに仕上げた名声ある楽団です。ここの理事会と同僚の楽員たちが私を選んでくれたことは、とても光栄で嬉しいです。」

佐藤氏は今後、年に数回行われるコンサートを指揮していく。またバッハ協会は、専門領域を持つ客演指揮者とのコンサートも継続して行っていく。バッハ協会に「歴史的考証に基づく演奏」を導入したヨス・ファン・フェルツホーフェンは、後任が自分のコンサートマスターであることを「誇り」に感じ、この若い後継者によってチームが2021年の100周年記念コンサートに向け導かれていくことを期待しているとコメントしている。ヨス・ファン・フェルツホーフェンがバッハ協会の音楽監督に就任した当時、佐藤氏はまだこの世に生まれてもいなかったのだ。この若き佐藤氏が、オランダ・バッハ協会の六代目新音楽監督である。

オランダde Volkskrant紙


オランダ・バッハ協会のホームページ


<公演情報>
2017年
6月24日(土)オーケストラ・リベラ・クラシカ(OLC)第39回定期演奏会
  15時開演 三鷹市芸術文化センター 風のホール
  指揮:鈴木秀美 ヴァイオリン:佐藤俊介
  http://olc.hidemisuzuki.com/index.php...

6月30日(金)【浜離宮アフタヌーンコンサート】
  佐藤俊介(ヴァイオリン)×鈴木秀美(チェロ)×スーアン・チャイ(フォルテピアノ)
  13時30分開演 浜離宮朝日ホール
  http://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2017/06/event821.html

7月1日(土)フィリアホール特別コンサート
  佐藤俊介&スーアン・チャイ
  ヴァイオリン&フォルテピアノ デュオ・リサイタル
  14時開演 フィリアホール
  http://www.philiahall.com/html/series/170701.html

7月4日(火)「ーオリジナル楽器で聴くブラームスー 佐藤俊介×鈴木秀美×スーアン・チャイ演奏会」
  19時開演 札幌 ふきのとうホール
  http://www.rokkatei.co.jp/fukinoto/index.html

7月8日(土) 神奈川フィルハーモニー 定期演奏会 みなとみらいシリーズ 第331回
  14時開演 横浜みなとみらいホール
  指揮:ユベール・スダーン ヴァイオリン:佐藤俊介
  http://www.kanaphil.or.jp/Concert/concert_detail.php?id=488


佐藤俊介 プロフィール


今後とも佐藤俊介の活動にご注目ください。
 

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