1980年代後半、ウィスキーのCMで彼女の歌う「オン・ブラ・マイ・フ」に魅了されたファンは数知れず。カラヤンに招かれウィーン・フィルのニューイヤーコンサート史上ただ一人の歌手としての出演者であり、ザルツブルク音楽祭やMETのオペラの常連。
このように日本でもその名を知らぬものはいない程、数々の伝説的な公演を開催してきた世界的ディーヴァが、キャスリーン・バトルです。今回、なんと日本で14年ぶりのソロ・リサイタルが10月に行われます。東京、大阪の2公演のみの貴重な来日公演となります。ぜひご注目ください!
『キャスリーン・バトル ソプラノ・リサイタル (仮)』
●大阪公演
2017年10/16(月)19:00 ザ・シンフォニーホール
●東京公演
2017年10/19(木)19:00 サントリーホール
●出演
キャスリーン・バトル(ソプラノ)
(ピアニスト未定)
チケットは2017年6月発売予定。
曲目、チケット料金などの詳細は、後日弊社ウェブサイトで発表いたします。
キャスリーン・バトルが22年ぶりにMETに復帰 -「待つだけの価値あり」
Anthony Tommasini
(2016年11月14日 ニューヨーク・タイムズ紙)
(前略)去る日曜、バトルは現在の総支配人ピーター・ゲルブに招かれてMETに復帰した。
(中略)68歳のバトルの歌唱は、並外れた溌剌さと美しさを湛えていた。思い起こせば、オペラ歌手として全盛を誇った頃のバトルの声質は、ゾフィー役(R.シュトラウス《ばらの騎士》)やスザンナ役(モーツァルト《フィガロの結婚》)にうってつけの軽やかなリリック・ソプラノである。しかし同時に、バトルの歌い方は極めて明瞭で華やかであったから、その演奏は、ふくよかながらも良く通る響きと、燦然たる存在感を兼ね備えていた。去る日曜のバトルの歌唱は、そうした絶頂期の特長を押しなべて留めていた。時折、息苦しそうなパッセージや、かすかな疲労の気配が目についたが、バトルの声は総じて見事に響いていたし、何より、美しい高音は健在だった。
(中略)筆者が特に感銘を受けたのは、彼女がピアノとのデュオで披露した黒人霊歌で、なかでも《天国という都》では、「約束の地」への憧れ、悲哀、そして子どもを彷彿させる天真爛漫さが、感動的に織り交ぜられていた。バトルは今もなお、骨の髄までプリマドンナである。(後略)