今秋10月に来日公演を行う、リッカルド・シャイー指揮ルツェルン祝祭管弦楽団。この楽団を故クラウディオ・アバドとともに創設したルツェルン・フェスティバルの総裁、ミヒャエル・ヘフリガーが3月末に来日し、記者懇談会を行いました。
(念のため説明いたしますと、ミヒャエルさんは、20世紀後半を代表し、特にJ.S.バッハのオラトリオでのエヴァンゲリストを歌って最も偉大で高潔と謳われたテノール、エルンスト・ヘフリガーの息子です。お父さんの没後10年の催しがスイス大使館で行われたため、来日されていました)
この懇談会で話された詳細は、いらっしゃった記者の皆さまによって色々な紙面に掲載されると思いますが、以下、ここではヘフリガーの話のさわりだけを要約いたしました。
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「ルツェルン祝祭管(LFO)が前回来日公演を行ったのは、2006年。アバドの指揮でした。サントリーホールにおいて、オーケストラ公演だけではなく、メンバーによる室内楽公演なども含めて行った大きなプロジェクトで、それは大きな成功を収めました。きっと日本のファンの方々もよく覚えているのではないでしょうか。
その後、東日本大震災が起こり、KAJIMOTOと共に東北で「ルツェルン・フェスティバルARK NOVA」を2013、14、15年に行い、その間の2014年にアバドが亡くなりました。
私たちはその後のLFOの方向をどうするかずっと考えました。そして、やはり誰か一人の指揮者のもとで発展していくのがいい、という結論を出しました。そのとき私たちの頭にあったのは「アバドとはタイプが違うけど、アバドを尊敬している人物。音楽のどんな方向性にも探求が及び、ヴィジョンがはっきりしていて、新しいレパートリーも開拓していける人」・・・それはリッカルド・シャイーでした。彼なら相応しい、と思えたのです。
しかしその時点では彼はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のカペルマイスターでしたし、2015年からはミラノ・スカラ座の音楽監督になることも決まっていて、他にももちろん客演の仕事が多いので難しいだろう、と思っていたのですが、シャイーは2015年にそのゲヴァントハウス管を辞めることになったのです。
そこで私たちはすぐミラノに飛びました。シャイーに会い、自分たちの考えを伝えるとともに、「LFOの音楽監督になってくれないか?」とオファーしました。結果はご存知の通りです。昨年の初共演でのマーラー「第8交響曲」では素晴らしい成果を上げてくれました。
(マーラーの交響曲は、アバドがずっと続けてきたプロジェクトですが「第8」だけはアバドの逝去で演奏されなかった)
シャイーはルツェルン・フェスティバルの会期中(リハーサルを含めたLFOの公演期間中)、ずっとルツェルンに居て腰を落ち着けてくれます。そしてLFOのメンバーたちもまたルツェルンに長期滞在し、音楽に没頭する時間を作ります。(彼らはその演奏会ごとに契約する。ソリストやヨーロッパの名門オーケストラの首席奏者や、室内楽の名手たちの集まりなので)
それはとてもユニークな空間とも言えるでしょう。
マエストロ・シャイーは自分にとっての新しいオーケストラとともに日本に行けることを、そしてLFOのメンバーも ――ARK NOVAを通じた日本への友情も胸に――再びの来日公演を心から楽しみにしています」
【発売情報】速報!今秋、ルツェルン祝祭管弦楽団が11年ぶりに来日!!―― 指揮は現音楽監督のリッカルド・シャイー!
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5月18日(木)12時 ~ 21日(日)18時 ●チケットのお申し込み
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5月28日(日)10時~ ●チケットのお申し込み