レナード・スラットキン指揮デトロイト交響楽団の東京公演については国際音楽祭NIPPONの記事の中で、そして大阪公演についても別記事で紹介いたしましたが、
両公演とも本日2/3からカジモト・イープラス会員限定先行受付が始まりますので、
重複するところもありますが、改めてご紹介させていただきたいと思います。
[レナード・スラットキン指揮 デトロイト交響楽団]
(大阪公演)
7月16日(日)14時 ザ・シンフォニーホール
バーンスタイン: 「キャンディード」序曲
C.マクティー: ダブルプレー
ガーシュウィン: ラプソディ・イン・ブルー (ピアノ: 小曽根真)
チャイコフスキー: 交響曲第4番 ヘ短調 op.36
(東京公演: 国際音楽祭NIPPON)
7月19日(水)19時 東京オペラシティ コンサートホール
武満徹: 遠い呼び声の彼方へ (ヴァイオリン: 諏訪内晶子)
コルンゴルト: ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 (ヴァイオリン: 諏訪内晶子)
チャイコフスキー: 交響曲第4番 ヘ短調 op.36
カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月3日(金)12時 ~ 7日(火)18時 ●お申し込み
一般発売 ●お申し込み
2月12日(日)10時~
デトロイト交響楽団は1914年創設。創設までに至る過渡期までを入れれば、1887年まで遡ることができるそうです。結構古い!
とはいえ、正直なところを言えば、例えばシカゴ響やニューヨーク・フィルなど、アメリカのスーパー・メジャー級(?!)と比較すれば、きっと多少なりとも地味なところに位置する印象でしょう。私とてそうです。
しかしながら・・・これもある世代から上でないとなかなかわからないとは思いますが・・・ポール・パレーやアンタル・ドラティといった「名匠」がデトロイト響の音楽監督をしていた時代に録音が数多く出ていて(LPレコードですね)、特にハンガリーの巨匠ドラティによるシャープな「春の祭典」など、名盤として今でもあの演奏は色あせていない素晴らしいものです。
そうです、アメリカのオーケストラというのは基本的に技術の錬磨、メカニックが一様に優れていますし、デトロイト響は昔からクリアでシャープ、指揮者の個性に対応して音楽を成立させるフレキシブルさにも際立っていました。
(その緻密さは、デトロイトといえば有名な、自動車精密産業のお土地柄と関係がある?)
だからなのでしょうか?そうした緻密に丁寧に音楽作りをする、いわゆる「名匠」と呼ばれる人たちが伝統的にデトロイト響の音楽監督を務めてきたのかな、と。先のパレー、ドラティ然り、そしてネーメ・ヤルヴィや現・音楽監督のスラットキン然りです。
19年前の初来日はネーメ・ヤルヴィとの公演でした。私は聴いていませんが、評論家の方々に聞くと、やはりそうした感触の公演だったようです。
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さて、今度の来日公演ですが、大阪公演でのバーンスタインに始まり、小曽根真がガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」を弾く!アメリカのオーケストラで聴いてみたいですよね、こういう曲目は。
小曽根はニューヨーク・フィルともこの曲で共演して、今やガーシュウィンと言えば小曽根!と全米でも言われるほどです。
そしてシンディ・マクティーという名前に耳なじみがないかもしれませんが、スラットキンの奥様で結構注目されている作曲家です。「ダブルプレー」という曲名に何か感じないでしょうか?確かめたわけではないのですが、デトロイトといえば、デトロイト・タイガースですね、メジャーリーグの。大阪といえばやっぱり阪神タイガースですね。え?野球つながり!?
東京公演は国際音楽祭NIPPONの一環ということで、前半は諏訪内晶子との協奏曲。
しかしこの音楽祭のコンセプトから、実に一歩も二歩も踏み込んだ意欲的な曲目が並びます。
武満徹のヴァイオリンと管弦楽のための曲として、「ノスタルジア」と共に有名な「遠い呼び声の彼方へ!」。諏訪内はかつてデュトワ指揮N響とレコーディングもしていて、得意な曲のひとつです。またスラットキンは武満作品のよき理解者の一人で、ニューヨーク・フィルと「系図~ファミリー・トゥリー」を世界初演した人でもあります。共感の深い、そして知的な武満像を見ることができるのではないでしょうか?
そしてコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲がアメリカのオーケストラによって演奏されるというのも、実に貴重な機会。
1897年生まれの「神童」として名をはせたこの人は、若き日にはシェーンベルクとともにウィーン最高の作曲家と称させるほどでしたが、ユダヤ人という立場のためナチスに国を追われアメリカに亡命します。そして彼はハリウッドで映画音楽の大家としてまた大きな花を咲かすことになるわけですが(多分、ジョン・ウィリアムズなどはコルンゴルトの影響なくしてはあれだけの映画音楽の大家にはなっていなかったのでは?)、
このヴァイオリン協奏曲もアメリカ時代に書かれたもの。ハリウッド映画のよう・・・と言ったら語弊がありすぎですが、R.シュトラウスの華麗なオーケストレーションがハリウッドの雰囲気と品よく手をとったような、非常に魅力的な作品です。これは本当に楽しみです。
大阪・東京ともに後半に演奏されるチャイコフスキーの「第4交響曲」。これはロシア系アメリカ人のスラットキンが昔から十八番にしていたレパートリーで、90年代のセントルイス響との来日公演でも絶賛されたことがあります。「幻想」と「情」があたたかく豊かにあふれさせつつ、全体はきちんと造形されてベタベタな感じにならない、実にいい演奏だったことを覚えています。
名匠スラットキンによる19年ぶりのデトロイト響の来日公演、チケット料金も比較的お求めやすいものですし、ぜひ多くの方々に聴いていただけるよう願っております!
■チケットのお申込みはこちらまで
カジモト・イープラス会員限定先行受付
2月3日(金)12時 ~ 7日(火)18時 ●お申し込み
一般発売 ●お申し込み
2月12日(日)10時~
2017.01.20