1年で300本も観たことがあったほどの映画好きだった作曲家・武満徹(1930-1996)は、生涯で100本を超える映画音楽づくりに携わりました。洒脱で、すっと耳に馴染む心地よさと、響きの奥に宿る“武満らしさ”を、映画のファンの方も、初めての方も、武満ファンの方も、誰もが心から楽しめる、そんな武満の映画音楽コンサートが行われます。
本公演は、愛娘で音楽プロデューサーの武満真樹が企画・全面監修しています。
始まりは、2008年にワシントンDCで開催されたジャパン・フェスティバルでした。武満の敬愛した音楽家たちに、「その音楽で自由に遊んで欲しい、何より彼らの素晴らしさをワシントンDCの人々に知って欲しかったから」と、フェスティバルからの打診を受けて真っ先に連絡をとったそうです。
「父からの私の20歳の誕生日プレゼントは香津美さんのアルバム《KYLYN》でした。ライブにも二人で行きました。」とはギターの渡辺香津美について。coba(アコーディオン)は「まだ小林靖宏だった頃から“すごい奴がいるぞ!”と話していました。今、cobaの山荘には父が生前使っていたピアノがあります。」ギター作品の録音の奏者として武満本人が鈴木大介を指名し、“今までに聴いたことがないようなギタリスト”と評したというのは知られている話。パーカッションのヤヒロトモヒロについては、「八ヶ岳の音楽堂で初めてヤヒロさんの演奏を聞いたとき、父は「いいな、あんなリズム感があって。それにあんなに楽しそうに演奏に没頭できるなんて!」と、いいな!を連発していました。」
2008年2月9日、ケネディセンターは満員ながらも、武満徹という作曲家や、4名の素晴らしい日本人ミュージシャンについてはあまり知らない観客が大多数でした。しかし演奏が進むにつれ、客席は熱気を帯び、最後の曲が終わった瞬間には全員がいっせいにスタンディング・オベーション。熱狂的な拍手と歓声が巻き起こりました。ワシントンDCに続き、これまでサイトウ・キネン・フェスティバル松本をはじめ日本各地で、そしてLAや中国でも公演が行われ、それぞれが暖かく、また熱狂的に受け入れられてきました。
楽曲の魅力に加え、奏者も凄腕揃い!
東京では初となる、“凱旋”コンサートを、
作曲家・武満徹の没後20年となる2016年の締めくくりに――
<没後20年 武満徹の映画音楽> ●お申し込み
2016年12月21日(水) 19:00開演
オーチャードホール
(出演)
ギター: 渡辺香津美
アコーディオン: coba
ギター: 鈴木大介
パーカッション: ヤヒロトモヒロ
全席指定¥6,500
(プログラム)
「フォリオス」より 第1曲
不良少年(羽仁進監督)
伊豆の踊子(恩地日出夫監督)
どですかでん(黒澤明監督)
日本の青春(小林正樹監督)
太平洋ひとりぼっち(市川崑監督)
Tribute to Toru
ホゼー・トレス(勅使河原宏監督)
狂った果実(中平康監督)
最後の審判(堀川弘通監督)
他人の顔(勅使河原宏監督)
写楽(篠田正浩監督)
【一般発売】6/18(土) 10:00 ●お申し込み