ヤニック・ネゼ=セガン&フィラデルフィア管弦楽団の、コンビ初アルバム『ストラヴィンスキー:春の祭典&ストコフスキー編曲バッハ作品集』(ドイツグラモフォン)が、カナダの公共放送「CBC Music」より年間ベスト5アルバムの一つに選ばれました!

ネゼ=セガンは、2012年にフィラデルフィア管の音楽監督に就任。これは世界最高峰のレベルにまでフィラデルフィア管の技術と知名度、そしてポピュラリティを高めたレオポルド・ストコフスキーが同団の音楽監督に就任した年(1912年)から、ちょうど100年目に当たります。

ストコフスキー&フィラデルフィア管といえば、ストラヴィンスキーの《春の祭典》(管弦楽曲版)を1922年にアメリカ初演したのち、1930年にはバレエとしての《春の祭典》(振付:マーサ・グラハム)もアメリカ初演しています。ご存知のとおり、彼らの録音も残っております(1929/1930)。これはもちろんアメリカでの同曲の初録音にあたります。
さらに今年2013年は、パリでの《春の祭典》世界初演から100年の節目でもあります。
ということで今回、ネゼ=セガンがフィラデルフィア管とともに初録音した『ストラヴィンスキー:春の祭典&ストコフスキー編曲バッハ作品集』には、(ネゼ=セガンが自らそう語っている通り、)「ストコフスキーへのトリビュート」というメッセージが確固として込められているのです。
<ネゼ=セガンのコメント付~プロモ動画>
CBC Musicは、ネゼ=セガンにとって、2013年は実りの多い年であったと振り返っています(今回のアルバムの発表のほか、ネゼ=セガンはBBCプロムス&カーネギーホールへのデビューを果たし、モーツァルトのオペラのレコーディング・プロジェクトにおいても高い評価を得ました)。
ちなみに・・・アルバム『ストラヴィンスキー:春の祭典&ストコフスキー編曲バッハ作品集』は、英紙「ガーディアン」でも以下のように高く評価されています(
原文)。
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《春の祭典》の録音が複数発表された今年は、いかなる新顔も強い個性と適切なコンテクストが求められる。ネゼ=セガンとフィラデルフィア管は両者をもちあわせている。ネゼ=セガンは官能的な奥行と力づよさ、鋭い明晰さと衝撃の間のバランスを巧みにとっている。時にテンポが非常に遅くなるが――過去の古典的な録音と比べてもかなり遅い――、そこでのフィラデルフィア管の演奏は見事に透明で、終盤の「生贄の踊り」は、あふれ出る勢いと鋭いエネルギーに満ち溢れている。その録音のコンテクストにも納得がいく。かつてフィラデルフィアに《春の祭典》を持ち込んだのはほかならぬストコフスキーだった。ネゼ=セガンは今回の録音に、大先輩にあたるストコフスキーの編曲によるバッハ作品を3曲加えている(略)。良く練られた巧みなプログラムが見事に演奏された一枚。
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飛躍をつづけるネゼ=セガン指揮フィラデルフィア管弦楽団に、来年もどうぞご注目ください。

<ネゼ=セガン指揮 フィラデルフィア管弦楽団 2014年ツアー>
6月2日 (月) 19:00 開演 サントリーホール
(詳細)6月3日 (火) 19:00 開演 サントリーホール
(詳細)