パーヴォ・ヤルヴィ率いるパリ管弦楽団が2年ぶりに来日中!去る11/2の京都公演を皮切りに、順調にツアーの歩みをすすめております。
前回のブログ(
こちら)がハノイ公演のレポートで終わっておりましたので(←現地で演奏を聴いた本名徹次も大興奮しておりました)、駆け足でサイゴン(=ホーチミン)公演を振り返ってから、日本ツアー前半戦の模様を写真ととともにお届けしたいと思います。
サイゴン公演の会場になったオペラハウス。ハノイのオペラハウスと同様、フランスの植民地政府によって造られました。
白と赤がベースの内装も素敵。
今回、パーヴォ・ヤルヴィとともにベトナムを訪れたのは“小編成”のパリ管。
ハイドン:交響曲第83番「めんどり」&モーツァルト:交響曲第33番では、楽団に宿るフランス独特の得も言われぬ優雅さが全面に押し出されていました。ルーセル:シンフォニエッタでは弦楽器プレイヤーたちの高い演奏能力がサイゴンの聴衆の心を奪い、フォーレ:フルートのためのファンタジーではソロのプラッツが見事なパフォーマンスを披露。
アンコールでは、パリ管メンバーのマンドレージ(ファゴット)が編曲したドビュッシーの「ゴリウォーグのケークウォーク」が聴衆の興奮をいっそうかきたてていました。
パリ管ベトナム・ツアー・チームは、一足はやく日本に到着していたフランス→日本直行組のメンバーたちと無事、関西にて合流。
そして11月2日、パリの姉妹都市・京都にて、日本ツアーがスタートしたというわけです!
リハーサルの様子
パリ管にとっては2011年に引き続き、再度の「京都秋の音楽祭」への登場。
目玉は何と言っても、京都コンサートホールが誇るパイプオルガン(ドイツ・ヨハネスクライス社)を使ったサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」です。
リハーサルに備え、入念なオルガン・レジストレーションを行っていたエスケシュ。
「オルガン付き」直後のお客様からの盛大な喝采を受け、パリ管はアンコールに突入。
ベルリオーズ:ラコッツィ行進曲(「ファウストの刧罰」)とグリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲ののちも、熱い拍手は鳴りやみませんでした。
マエストロ、お疲れ様(勝利の1杯!)
翌日、一行は次なる公演地・兵庫へ。パリ管、兵庫県立芸術文化センターに初登場です。
同ホールの兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の芸術監督を務める佐渡裕マエストロは、パリ管に度々客演しており楽団の中でも(当たり前ですが)有名人。何人ものメンバーたちから「YUTAKAのオケの本拠地なんだよね~」と話題を振られました。ウィウィ、そうですヨ♪(佐渡マエストロから美味な差し入れもいただきました、ありがとうございました)
ところで、連日、大好きな日本食で気合を入れているヌーブルジェ(ピアノ)は、前日の京都でのリスト:協奏曲2番に代わって、この日はラヴェルの「左手」協奏曲を演奏。
お寿司大好きヌーブルジェ
パリ管による動画インタビューで(仏語ですが、
こちらからご覧いただけます)、
「左手だけで協奏曲を弾ききった直後に、右手を交えて両手で複雑なアンコール曲を弾くのは難しいんです」
なんて、しおらしいことを言っていたヌーブルジェ、兵庫では素知らぬ顔してアンコールに「ショパン:英雄ポロネーズ」(!)を情熱的に奏でておりました(笑)
余談ですが、パリ国立音楽院の教授を務めるヌーブルジェは、今回のオルガン・ソロを務めるエスケシュ(彼は偉大な作曲家・音楽教師でもあります。パリ国立音楽院教授。)と“同僚”なわけですが、
実はヌーブルジェは、学生時代にエスケシュにオルガン、作曲、アナリーゼ、フーガを師事。ツアー中には、師エスケシュにアドバイスをこうヌーブルジェの姿や、弟子ヌーブルジェのコンディションを気に掛けるエスケシュの姿がしばしば見られ、興味深いです。
閑話休題。
兵庫公演の後半を飾ったプロコフィエフ:交響曲5番は、非常に難解な作品ではありますが、さすがはパーヴォ・ヤルヴィ。マエストロが並々ならぬ意欲をもって取り組んでいる様子が、リハーサルからも本公演からもひしひしと伝わってきました。
チェロ&コントラバス・セクションが、とりわけ大活躍しておりました!
兵庫でのアンコールは、オール・ビゼー。十八番の「ギャロップ」(小組曲「子供の遊び」より)に続き、エキサイティングな「カルメン」序曲が披露されました。
パリ管は、本日11/4には兵庫と同じプログラム(ドビュッシー:牧神/ラヴェル:「左手」のためのピアノ協奏曲/プロコフィエフ:交響曲5番)を携え、上野の東京文化会館に登場。
そして翌11/5には、サントリーホールに(2年ぶりに)かえってまいります!パリでヌーブルジェと共演し大絶賛されたリスト:協奏曲第2番、エスケシュとのサン=サーンス:「オルガン付」、そしてパーヴォ・ヤルヴィが今年に入って初めてパリ管のレパートリーに加えたというシベリウスの「カレリア」組曲。どうぞお楽しみに!
パリ管弦楽団 2013年11月 来日ツアーパーヴォ・ヤルヴィ指揮
■2013年11月2日(土) 15:00 京都/
京都コンサートホール 【プログラムB】
終了※富士電機スーパーコンサート
【問】京都コンサートホール 075-711-3090
■2013年11月3日(日) 15:00 西宮/
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 【プログラムA】
終了【問】芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
■2013年11月4日(月) 15:00 東京/
東京文化会館 【プログラムA】
【問】
公益財団法人 都民劇場 03-3572-4311
■2013年11月5日(火) 19:00 東京/
サントリーホール 【プログラムB】
【問】
カジモト・イープラス 0570-06-9960
■2013年11月7日(木) 19:00 横浜/
横浜みなとみらいホール 【プログラムB】
【問】横浜みなとみらいホール 045-682-2000
■2013年11月8日(金) 19:00 福井/
ハーモニーホールふくい(福井県立音楽堂) 【プログラムB】
【問】ハーモニーホールふくい・チケットセンター 0776-38-8282
■2013年11月9日(土) 19:00 倉敷/
倉敷市民会館 【プログラムB】
【問】
くらしきコンサート 086-422-2140
【プログラムA】
ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲
ラヴェル: 左手のためのピアノ協奏曲 (ピアノ:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ)
* * *
プロコフィエフ: 交響曲第5番 変ロ長調 op.100
【プログラムB】
シベリウス: 「カレリア」組曲 op.11
リスト: ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125 (ピアノ:ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ)
* * *
サン=サーンス: 交響曲第3番 ハ短調 op.78 「オルガン付」 (オルガン: ティエリー・エスケシュ)