ジャン=フレデリック・ヌーブルジェが、今朝、無事に関西の地を踏みました。いよいよ明後日11/2より、京都公演を皮切りに日本ツアーがスタートします。
ヨーロッパでめきめきと頭角を現しているヌーブルジェですが、今回、パリ管のツアー(リストの協奏曲2番&ラヴェルの「左手」)への参加のほか、11月6日(水)にはリサイタル(
詳細はこちら)も予定しています。フランスが誇る、文字通りの“若き俊英”の真剣勝負のリサイタル、ぜひぜひご期待いただければと思います(村上春樹作品好きのヌーブルジェが選曲した「リスト: 巡礼の年第1年スイス から郷愁」も演奏されます)。
パリにて。「1Q84」フランス語版とともに。(“多崎つくる”の仏語版求む!としきりに言っていました。)小津や黒澤などが大好きな、日本映画通でもあります。
2009年、史上最年少でパリ国立音楽院伴奏科の教授に就任したヌーブルジェ。現在は演奏家として、作曲家として、教師として、大活躍の日々です。
<パリ管との縁>
ところで、彼がパリ管弦楽団にデビューしたのは2010年(指揮はヨエル・レヴィ)。ちょうどヨーロッパ・コンサート協会より「ライジング・スター」に選出され、ソリストとしての更なる成長を期待されていた頃でした。
実は、そのパリ管デビューで演奏した曲が、今回の日本ツアーでも披露するラヴェルの「左手のための協奏曲」です。
パリ管といえば、昨年、ヌーブルジェはIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)主宰の現代音楽祭「マニ・フェストManiFeste」(パリ)の初日に、フィリップ・マヌリ(1952~)の新作「Echo-daimónon」をソリストとして世界初演。その時の共演も、パリ管でした(指揮はインゴ・メッツマッハー)。
その世界初演の模様はフランス国立ラジオFrance Musiqueで放送され、インターネットを通じて配信されましたので、お聴きになった方もいらっしゃるかもしれません。1台のピアノと4台のバーチャル・ピアノ、管弦楽のための協奏曲、という、大大大先輩マヌリによる、斬新な編成の新作でした。
<作曲家として>
先ほど、ヌーブルジェが作曲家としても活動中、と書きましたが、今年はナントの「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭より委嘱を受け、「Plein Ciel」を作曲。
オリヴィエ・メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」と全く同じ編成で書かれた室内楽作品で、「世の終わり~」との組み合わせで、同音楽祭で世界初演されています。
この世界初演と、日本初演(同年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」)には、ヌーブルジェ本人がピアニストとしても関わっています。
「ラ・フォル・ジュルネ」で自作「Plein Ciel」を初演
その他、最近彼が書いた大規模な作品としては、「エメ・セゼールの2つの詩による世俗カンタータCantate profane sur deux poèmes d'Aimé Césaire (2012)」等があげられます。
<近い未来のおはなし>
日本ツアー開始前に“その後”の話をするのも気が引けるところではありますが、ヌーブルジェの来2014年の活動についても、少しだけ触れておきたいと思います。
14年1月、パリのルーブル美術館オーディトリウムにて「ジャン=フレデリック・ヌーブルジェと仲間たち」と題された全6公演の大規模なコンサートシリーズが催されます。
ピアノ・リサイタルのほか、室内楽公演やアンサンブルとの共演など多彩なラインナップ。ご興味がある方はウェブサイトで詳細を(
こちら)ご覧になってみてください。
ということで、つれづれなるままにヌーブルジェの身辺について語ってみましたが、最後に宣伝させてください!ヌーブルジェの久々のソロの新譜『ラヴェル:夜のガスパール、ほか』が、このたび来日記念盤としてリリースされました!!!
今回の収録曲は、ヌーブルジェ本人が「その全ピアノ作品を演奏したことがあり、最も親近感を感じる作曲家」と語るラヴェルのピアノ作品。とりわけ超絶技巧と鋭敏な色彩感覚、楽曲構築のセンスを求められる「夜のガスパール」に、「高雅にして感傷的なワルツ」と「クープランの墓」が組み合わされています。
公演会場でも販売予定ですので、ぜひお手に取ってみてください。
<ヌーブルジェ ピアノ・リサイタル>
2013年11月6日 (水) 19:00 開演
会場:東京オペラシティ
[プログラム]
J.S.バッハ: パルティータ第2番 ハ短調 BWV826
ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト: 巡礼の年第1年「スイス」から 郷愁(ル・マル・デュ・ペイ)
ラヴェル: 高雅で感傷的なワルツ
ラヴェル: クープランの墓
⇒
チケット購入<ヌーブルジェ 日本ツアー2013>
■11月2日(土) 15:00 京都/
京都コンサートホール 【協奏曲A】
※富士電機スーパーコンサート
【問】
京都コンサートホール 075-711-3090
■11月3日(日) 15:00 兵庫/
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール 【協奏曲B】
【問】
芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255
■11月4日(月・祝) 15:00 東京/
東京文化会館 【協奏曲B】
【問】
公益財団法人都民劇場 03-3572-4311
■11月5日(火) 19:00 東京/
サントリーホール 【協奏曲A】
【問】
カジモト・イープラス 0570-06-9960
■11月6日(水) 19:00 東京/
東京オペラシティ 【リサイタル】
【問】
カジモト・イープラス 0570-06-9960
■11月7日(木) 19:00 横浜/
横浜みなとみらいホール 【協奏曲A】
【問】
横浜みなとみらいホール 045-682-2000
■11月8日(金) 19:00 福井/
ハーモニーホールふくい 【協奏曲A】
【問】
ハーモニーホールふくい 0776-38-8282
■11月9日(土) 19:00 倉敷/
倉敷市民会館 【協奏曲A】
【問】
くらしきコンサート 086-422-2140
【協奏曲 A】
リスト: ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125
(共演: パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団)
【協奏曲 B】
ラヴェル: 左手のためのピアノ協奏曲
(共演: パーヴォ・ヤルヴィ指揮パリ管弦楽団)
【リサイタル】
J.S.バッハ: パルティータ第2番 ハ短調 BWV826
ショパン: ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 op.58
リスト: 巡礼の年第1年「スイス」から 郷愁(ル・マル・デュ・ペイ)
ラヴェル: 高雅で感傷的なワルツ
ラヴェル: クープランの墓
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ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ プロフィール