去る10月28日、ラン・ラン(ピアノ)が国際連合より、「グローバル・エデュケーション(世界の教育)」にフォーカスした国連ピース・メッセンジャーに任命されました。
潘基文・国連事務総長は任命にあたり、ラン・ランが「教育を通じたより良い世界の構築」に貢献してくれることを確信している、と述べています。
2004年から約10年にわたり、国連児童基金(UNICEF)の親善大使を務めてきたラン・ランは、今回、国連ピース・メッセンジャーに任命されたことを受け、「教育というメッセージがすべての人に発信されるよう、わたくしに出来るあらゆることを行いたい」と抱負を語りました。
現在、国連ピース・メッセンジャーとして、音楽家のダニエル・バレンボイム氏、五嶋みどり氏、ヨーヨー・マ氏、スティービー・ワンダー氏、俳優のジョージ・クルーニー氏、シャーリーズ・セロン氏ら、諸分野のアーティストが活動を行っています。
今後とも、ラン・ランの八面六臂の活躍にご注目いただけますよう、宜しくお願いいたします。
<ラン・ラン プロフィール>
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“クラシック音楽の惑星で最もホットなアーティスト”、とニューヨーク・タイムズ紙が賞賛するラン・ランは、世界中の主要都市でリサイタルやコンサートがソールド・アウト、中国人として初めてウィーン・フィルとベルリン・フィル、そしてアメリカの最高峰のオーケストラすべてと共演を果たしたピアニストである。
ラン・ランの成功の証として、2009年には、TIME誌が毎年選出する恒例の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれ、2008年には北京五輪の開会式で演奏。若者の象徴と中国の未来のシンボルとして、50億人以上の観客を魅了し、その影響力は中国で約4000万人の子供たちがクラシックのピアノを学ぶきっかけになるほどだ。アメリカ有数のニュース番組「トゥディ・ショー」はこの現象を“ラン・ラン効果”と名付けている。同年、ラン・ランの強力な文化的影響を認識した全米レコード芸術科学アカデミー(The Recording Academy)は、彼を中国への文化大使に任命。最近では2010年上海万博公式国際親善大使を務めている。
世界のステージで活躍し続ける中、2008年にはグラミー賞授賞式でジャズの巨匠ハービー・ハンコックとの圧倒的な共演で世界中の4500万人の視聴者を驚嘆させ、2人は翌2009年夏にも、初の世界ツアーでコラボレーションを続けた。ラン・ランは世界中でクラシック音楽を啓蒙することを自らのミッションとし、特に子供たちや若い音楽家に向けての教育やアウトリーチ・プログラム、経済的援助を行っている。2008年にはグラミーと国連児童基金(ユニセフ)の援助の下、ニューヨークにラン・ラン・インターナショナル・ミュージック・ファウンデーションを設立。2009年5月には財団から選ばれた3名の若い奨学生と「The Oprah Winfrey Show」の“世界の最も聡明な子供、最も才能ある子供を探せ”で共演している。
2007年12月、ストックホルムで行われたノーベル賞コンサートにゲスト・ソリストとして、また2009年にはオバマ大統領のノーベル平和賞受賞コンサートにもソリストとして出演。元国連事務総長コフィ・アナン、現国連事務総長の潘基文、米国大統領ジョージ.W.ブッシュ、英国エリザベス女王2世、中国国家主席の胡錦濤など、世界のトップのために演奏している。
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ラン・ランは3歳でピアノを始め、5歳で瀋陽ピアノ・コンクールに優勝して初のリサイタルを開く。9歳で北京中央音学院に入学し、13歳の時、仙台で開催された第2回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールに優勝。17歳でシカゴ交響楽団の“世紀のガラ”コンサートにおいてチャイコフスキーのピアノ協奏曲を急遽代演、一躍スターの座を獲得した。この華々しいデビューに続き、世界中で数々のコンサートを成功させ、ロンドンのタイムズ誌は「ラン・ランはロイヤル・アルバートホールの満席の聴衆に嵐を巻き起こした。新たな歴史が刻まれた瞬間だった」と報じた。「トゥデイ・ショー」やジェイ・レノの「トゥナイト・ショー」、「グッド・モーニング・アメリカ」といった世界の主要テレビ・ネットワークに出演、ニューヨーカー、エスクヮイア、ヴォーグ、ディ・ヴェルト、タイムズなど世界中で多種多様な誌面にも取り上げられている。
2004年にはユニセフの国際親善大使に任命され、中国とハイチの地震救援基金集めに尽力した。また、現在はモンブラン文化賞アート・パトロネージ・アワード会長も務め、カーネギーホールの教育プログラムのひとつ、ワイル・ミュージック・インスティテュート(WMI)の諮問機関に名を連ね、芸術諮問委員会のメンバーでもある。2010年には世界経済フォーラムから若手グローバルリーダー250人のひとりに選ばれ、ダボスでクリスタルアワードを受賞した。2013年10月、国連ピース・メッセンジャーに就任。
カーティス音楽院、ジュリアード音楽院、マンハッタン・スクール・オブ・ミュージック、ハノーファー音楽大学、そして中国最高峰の音楽大学など世界中の一流音楽大学に招かれ、定期的にマスタークラスを開催。また、シカゴ、トロント、サンフランシスコ、ロンドン、ローマ、ストックホルムでもミュージック・レジデンシーを務めている。数々の活動に加えて、YouTubeとGoogleによる草分け的なプロジェクト、YouTubeシンフォニーオーケストラの初の大使にも任命され、クラシック音楽を新しい客層と若い人たちに広げたいという熱意を示している。2009年にカーネギーホールで開いた“Lang Lang and Friends”は、アメリカと中国の新しい才能をフィーチャーしたコンサートで、"Ancient Paths, Modern Voices: Celebrating Chinese Culture" のハイライトとなった。さらには、ウィーン楽友協会でのチェチーリア・バルトリとのジョイント・コンサートを含むラン・ラン・フェスティバルを開催。またベルリン・フィルの最年少のピアニスト・イン・レジデンスとなり、2010/11年のシーズンにはロンドン、パリ、ミラノ、マドリッド、シドニーで出演した。
自伝「奇跡のピアニスト郎朗(原題:Journey of a Thousand Miles)」はランダムハウスから11カ国語で出版され、高い評価を得た。子供の教育の一環として、若い読者に受け入れやすいようにと、子供向けバージョン「Playing with Flying Keys」も発売。
スタインウェイ社は数々のグローバルキャンペーンの顔として、初心者の子供たちの音楽教育用に5タイプの「ラン・ラン・スタインウェイ」を製作した。スタインウェイ社の150年の歴史の中でアーティスト名を使ったピアノを販売したのは初めてのことだ。ソニー・エレクトロニクスのグローバルブランド大使として、同社と共に革新的でクリエイティヴな未来の可能性を見いだすことをラン・ランも楽しみにしている。その他、アウディやエイゴンとは、世界的なブランドパートナーシップを持つ。ラン・ランのステージ衣装はヴェルサーチが提供している。
発売したアルバムはすべて世界中のクラシック・チャートでトップになり、ポップス・チャートにも登場。ビルボード誌の新人チャートではクラシック・アーティストの最高位となった。2007年にはグラミーの最優秀クラシック・器楽(ソロ)部門賞に中国人アーティストとして初めてノミネートされ、全米レコード芸術科学アカデミーから2007 会長功労賞も授与された。これは過去にズービン・メータやルチアーノ・パヴァロッティが授与している。最近では、大ヒット映画「のだめカンタービレ最終楽章」のサウンドトラックや、プロジェクト・ショパンのためにショパン『24の練習曲』をレコーディング。2010年2月にはソニー・ミュージックエンタテインメントと専属契約し、8月に「ラン・ラン ライヴ・イン・ウィーン」をリリース。2013年に「ザ・ショパン・アルバム」をリリース。最新盤はラトル指揮ベルリン・フィルとの共演による「プロコフィエフ 3 & バルトーク 2」(2013年11月)。