いよいよ明日7/2(火)より、今秋の「エル・システマ・フェスティバル」のチケット一般発売がスタートします。
メイン会場は、東京芸術劇場(全3公演)。広島・東北・千葉でも関連公演がありますので、詳細を今一度、ご確認いただければと思います!
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詳細
ベネズエラで生まれた「エル・システマ」は、青少年に無料で楽器&レッスンを提供するシステム。“集団による”音楽体験をつうじて社会性などを育ませ、さらには(結果として)若者たちを非行・犯罪から守る効果もあるとされ、近年、ますます注目されています。
スター指揮者グスターヴォ・ドゥダメル(2009年に「タイム」誌で“世界で最も影響力のある100人”に選ばれました!)や、ベルリン・フィルに史上最年少で入団したエディクソン・ルイス(コントラバス。今秋に「フェスティバル」参加のため来日します!)らも、「エル・システマ」出身。
さらには今年、あのザルツブルク音楽祭でも「エル・システマ」が特集され、所属ユース・オケ等が招かれて演奏を披露します。
この“音楽による人材育成”の生みの親は(ご存知の方も多いと思いますが)、ホセ・アントニオ・アブレウ博士(1939-)。

博士は石油経済学を学んだ研究者・教育家ですが、音楽もご専門(演奏指導のほか、指揮もします!)。
過去にベネズエラの文化大臣を務めた博士の熱意と呼びかけにより、ベネズエラで「エル・システマ」が始まったのが1975年です。
のちに優秀な指導者たちが集まり、ベネズエラが国をあげてこの画期的な教育システムを支援していくことになります。
なんとこのたびアブレウ博士が、今秋の「エル・システマ・フェスティバル」の構想を語ってくれました!
Q: 今秋に東京でおこなわれる「エル・システマ・フェスティバル」、とても楽しみです。
(博士) 東京で予定されている「フェスティバル」は、「エル・システマ」の成果を数日間にわたり紹介するイベントとしては、アジアで初めて行われるものです。コンサートのみならず、ワークショップやマスタークラス等も予定しています。例えば、ベネズエラの「エル・システマ」では楽器に初めて触れる子供たちが、紙でヴァイオリンを作り、最初のレッスンにこれを用いるのですが、日本のお子さんたちにもこれを体験していただこうと思っています。
Q: 博士もこの機会に来日なさるのですか?
(博士) ええ、そのつもりです。
Q: 2008年以来の来日になりますね。08年には、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ(現シモン・ボリバル交響楽団)がドゥダメルと共に来日しました。今回、博士はエル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス(EYOC)を推薦なさいました。「エル・システマ」内には多くのユース・オケがありますが、博士はなぜEYOCにこだわったのでしょうか?
(博士) EYOCが持つ「力強い未来」を日本の皆さんに感じていただきたかったからです。実はカラカス市長がEYOCを応援しており、市長もオーケストラと一緒に日本に行きたいと言っています。EYOCは、シンフォニックな表現――合奏による表現――のレベルがとても高いうえに、個々の奏者の演奏技術も極めて高いのです。
Q: EYOCを指揮するディートリヒ・パレーデスとレオン・ボットスタインにとっては、日本デビューとなりますね。彼らの演奏を初めて聴く日本の聴衆に、何かメッセージはありますか?

(博士) 二人の出演にこだわったのは私です!パレーデスは現在、EYOCの音楽監督・指揮を務めていますが、以前は長い間、EYOCのメンバーとして活動していました。第一ヴァイオリンを担当していたのです。その後に彼は指揮に専念するようになりました。世代としてはドゥダメルとほぼ同じです。パレーデスはEYOCのメンバーたちからの信望が厚く、このオーケストラの発展のことを日々考えてくれています。
ボットスタインは私の友人ですが、そもそもの出会いは、ドゥダメルを介してでした。ドゥダメルが彼をカラカスに招き、EYOCを指揮してもらったのです。昨年、ボットスタインはカラカスでショスタコーヴィチの交響曲第7番を指揮したのですが、そのコンサートがオーケストラ・メンバーと聴衆とに大きな感動を与えました。メンバー達が、「もう一度彼の指揮でショスタコーヴィチを演奏したい」と望みまして、ドゥダメルもこれに賛同したため、彼が日本ツアーに参加することになりました。カラカスでのあの情熱的な演奏が今も忘れられません。彼らの見事な演奏が日本でも再現されると確信しています。
Q: 「フェスティバル」初日の10月10日に、日本とベネズエラの外交関係樹立75周年を記念するガラコンサートが予定されています。博士がこのコンサートをプログラミングなさった際の“こだわり”がありましたら、お教えください。
(博士) 海外ツアーではオーケストラの各メンバーたちのモチベーションが上がるような機会を提供することが重要だと思っています。そのために今回は、モーツァルトの4つの木管楽器のための協奏交響曲を選びました。オーケストラ・メンバーから選ばれたソリストたちが、このチャンスを十分に生かし、モーツァルトの作品を素晴らしく演奏してくれるでしょう。その上、このコンサートには、「エル・システマ」の先輩で現在は世界的な名手である、ベルリン・フィルのコントラバス奏者、エディクソン・ルイスがソリストとして参加します。EYOCのメンバーたちは彼のことを心から尊敬し、目標としているのですよ。
Q: そして日本からのゲストが萩原麻未というわけですね。
(博士) ええ、10月8日に広島で、11日に東京で、彼女とEYOCが共演します。マミは本当に素晴らしいピアニストですね(注:本インタビューは、今年6月、萩原麻未のカラカス滞在中に行われた)。彼女は才能にあふれ、技術も確かです。EYOCは今回、秋の日本での共演に先駆けてマミがわざわざベネズエラを訪れてくれたことを嬉しく思っていますし、演奏の相性も抜群でした。マミとEYOCが日本で再び共演することが今から楽しみでなりません。

2012年、ウィーンにて。博士と萩原麻未

今年6月、カラカスにて。EYOCと共演した萩原麻未と博士
Q: 博士は2008年も今回も、広島で公演を行うことにこだわりました。萩原麻未は広島出身で原爆被爆者の第3世です。博士の広島への想いをお聞かせください。
(博士) 私だけではなく、多くの人々にとって広島は悲劇のシンボルです。2008年の最初の日本ツアーで、私たちは皆、必ず広島で演奏するべきだと考え、それが実現しました。とりわけ、広島の子供たちのために愛情をこめて演奏したいという想いがありました。演奏の合間を縫って、オーケストラのメンバーたちは原爆資料館も見学しました。さきほど、広島は悲劇のシンボルだと申し上げましたが、広島訪問を通して、「広島が今日、これほど立派な都市になったことは、世界にとって希望の象徴である」と思うようになりました。
Q: そして今回、「エル・システマ」のオーケストラとしては二度目の広島公演が実現するわけですね。
(博士) 5年前のあの演奏はとても強い印象を残しました。指揮をしたドゥダメルやメンバーたちが涙を流したのを覚えています。あの時、私たちは「必ずまたここに戻ってくる!」と約束したのです。
Q: 秋に東京でお目にかかれるのが楽しみです、今日は有難うございました。
(博士) 「フェスティバル」の成功を確信しています。それではまた!
2013年6月:カラカスにて
~エル・システマ・フェスティバル2013~<会場>
東京芸術劇場<出演>
管弦楽:
エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス(EYOC)指揮:
ディートリヒ・パレーデス(EYOC音楽監督・10/10、10/11公演)
レオン・ボットスタイン(10/12公演のみ)
独奏:
萩原麻未(ピアノ)、
エディクソン・ルイス(「エル・システマ」出身、コントラバス)、カリム・ソマザ(EYOC団員、クラリネット)
<日時・曲目>
■2013年10月10日(木)19:00~日本ベネズエラ外交樹立75周年記念ガラコンサート~
曲目:
藤倉大:Tocar y Luchar(奏でよ、そして闘え)
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調K.622(独奏:カリム・ソマザ)
モーツァルト:木管楽器のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b
マッティンソン:コントラバス協奏曲 (独奏:エディクソン・ルイス)
■2013年10月11日(金)19:00曲目: ヴェルディ:「運命の力」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲 イ短調op.64(ピアノ:萩原麻未)
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 op.64
■2013年10月12日(土)18:00
曲目: ヴェルディ:「運命の力」序曲
モーツァルト:木管楽器のための協奏交響曲 変ホ長調 K.297b(独奏:後日発表)
ショスタコーヴィチ:交響曲第7番 ハ長調 op.60「レニングラード」
<料金>
各日共:S席7,000円、A席6,000円、B席5,000円、C席3,000円、D席1,500円
<発売日>
◎カジモト・イープラス会員先行発売: 終了
◎一般発売: 7月2日(火)10:00より
【問】 東京芸術劇場ボックスオフィス 0570-010-296(休館日を除く10:00-19:00)
http://www.geigeki.jp/t/ (PC)
http://www.geigeki.jp/i/t/ (携帯)
カジモト・イープラス 0570-06-9960(10:00~18:00土日祝も営業)
http://kajimotoeplus.com/ ●チケットのお申し込み◎主催:駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館、東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団)、一般社団法人エル・システマ ジャパン
◎協力:EYOC日本ツアー支援委員会
◎招聘企画:KAJIMOTO
◎助成:平成25年度 文化庁 劇場・音楽堂等活性化事業、公益財団法人 朝日新聞文化財団
◎認定:公益社団法人企業メセナ協議会
★エル・システマ・フェスティバル参加公演★
◆10月8(火)17:00 公開レッスン 19:00 リサイタル
フランシスコ・フローレス トランペットリサイタル
ピアノ:大室晃子
○公開レッスン
講師:フランシスコ・フローレス
受講生:渋谷区青少年吹奏楽団 トランペットパート団員
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詳細 (PDF)【問】Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8770
◆10月11(金)16:00 公開レッスン 19:00 リサイタル
エディクソン・ルイス&小菅優 デュオリサイタル
○公開レッスン
講師:エディクソン・ルイス、小菅優
受講生:アマデウス・ソサイエティー管弦楽団
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詳細 (PDF)【問】Hakuju Hall チケットセンター 03-5478-8770
~関連公演:広島公演概要~日本・ベネズエラ外交樹立75周年
Piece for Peace HIROSHIMA
エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス広島公演
■2013年10月8日(火)18:30<会 場>
広島文化学園HBGホール(広島市文化交流会館)
<出演者>
管弦楽:エル・システマ・ユース・オーケストラ・オブ・カラカス
指 揮:ディートリヒ・パレーデス
ピアノ:萩原麻未
<曲 目>
ヴェルディ:「運命の力」序曲
グリーグ:ピアノ協奏曲
チャイコフスキー:交響曲第5番
<料 金>
S席¥7.000円 A席¥6.000円 B席¥5.000円 学生(大学生以下)¥1.000円
【問】広島テレビ イベントインフォメーションセンター 082-249-1218
主 催:広島テレビ放送株式会社/一般社団法人エル・システマジャパン
協 力:EYOC日本ツアー支援委員会
後 援:駐日ベネズエラ・ボリバル共和国大使館
招聘制作:KAJIMOTO
認 定:公益社団法人 企業メセナ協議会
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