秋のオーケストラやピアニストのチケット発売が続いております。少し早いのですが、今度は来年2月、5年ぶりの来日公演となる
アラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルハーモニック(NYP)の発売が始まります。2009年を秋に来日した時は、出来立てホヤホヤだったコンビも5年たち、それまでになかったクリエイティヴィティーを発揮して、現地のファン、ひいてはNY市民の中でなくてはならない存在感を強めています。
[アラン・ギルバート指揮ニューヨーク・フィルハーモニック]
◆2月12日(水)19時 東京・
サントリーホール◆2月13日(木)19時 東京・
サントリーホール◆2月15日(土)15時
横浜みなとみらいホール※以上3公演
カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み6月6日(木)12時 ~ 10日(月)
一般発売 ●お申し込み6月15日(土)10時~
◆2月10日(月)19時 大阪・
ザ・シンフォニーホール※以上1公演
カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み6月16日(日)12時 ~ 19日(水)18時
一般発売 ●お申し込み6月23日(日)10時~
今のニューヨークという都市、オペラでは、「METライブビューイング」を観に行ってもわかる通り、メトロポリタン歌劇場が質・量ともに一段と高まって活性化しているのと同時に、オーケストラでは
ニューヨーク・フィルも、招く指揮者やソリストはもちろんのこと、
現代の作曲家とのコラボレーションが若者層に受け入れられ、従来とは違ったかたちでの活況を呈しています。
そんな観点を含め、今回の来日公演の聴きどころを、私共なりに提示してみましょう。
(1)クラシックとモダンの対比
例えば2/12のラウス「狂喜」→リンドベルイ「ピアノ協奏曲第2番」 + チャイコフスキー「第5交響曲」であるとか、
2/13のベートーヴェン「フィデリオ」序曲→ショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」→ベートーヴェン「第1交響曲」→ガーシュウィン「パリのアメリカ人」・・・・
面白い組み方ですよね。特に後者の後半、
ベートーヴェンの交響曲の後にガーシュウィン!?あたかもギルバート&NYPが私たちに
「こういう聴き方はどう?現代だからこそやれる組み方で、絶対新鮮に聴こえるし、それぞれの価値もきっと再確認できるから!」と言っているようです。こういったことが現地ニューヨークでも普通に行われていて、モダンな音楽もクラシカルな音楽もそれぞれの
“新しさ”や“魅力”がひきたち、若者をも惹きつけているのです。
これ、ぜひギルバートにも尋ねてみたいと思いますが、一見自由なように見えて、
相当考え抜いて組んだプログラムのはず。
あと付け加えると、NYPの取り上げる現代曲というのは、あえていえば
そんなに難解なものはありません。例えば
リンドベルイのファンならよくご存じと思いますが、この当代きっての人気作曲家の曲はとにかく
サウンドが鮮やかでカッコいいことこの上ない・・・彼の親友のサロネンもそうですが、パリのIRCAMに出入りしていた作曲家たちの操るサウンドというのは、耳と頭脳の整理がよくついているのか、とにかく
快感。
(そうして人気があるからこそ、第1番に引き続きNYPの委嘱で第2番が書かれたのだと想像します)
ラウスもそうですね。アメリカでは精力的な活躍で人気があり、
ダイナミックな音楽を書く人。ギルバートはロイヤル・ストックホルム管時代にも、この人の交響曲などをCDリリースしています。
(2)ニューヨーク・フィルの変化
アラン・ギルバートは現在45歳。
生粋のニューヨーカーが史上初のNYPの音楽監督となった、ということが話題になりましたが、もちろんそれだけのことではなく、このポストに就任してからも、ベルリン・フィルの定期公演を指揮したり、首席客演を務めるハンブルク北ドイツ放送響をはじめ一流オーケストラを指揮する
第一級の指揮者です。その蓄積は自身の指揮を通してNYPにも
フィードバックされ、彼の
厳しくもフレンドリーな器量と相まって、NYPをとても
フレキシブルで安定したオーケストラに導いたようです。(以前のNYPは鼻っ柱の強い暴れ馬みたいなところがありましたから。奏者一人ひとりがスゴ腕なこともあって)
もちろんNYPならではの上手さやパワー、異様なくらいのバイタリティは健在ながら、そこに
安定した洗練味が生まれてきることを、最近の録音や映像を見聴きしていると感じます。
(3)多彩な参加ソリスト
先に触れたリンドベルイのピアノ協奏曲第2番は(第1番も)、ピアニストの
イェフィム・ブロンフマンのピアニズム・・・彼の、およそ弾けないものなどない怜悧でシャープな冴えたピアニズムを想定して書かれたもので、そうでなくてはこの曲の持ち味が出ません。もちろん世界初演もブロンフマンがしておりますし、それをそのまま日本に持ってきます。
そして
リサ・バティアシュヴィリの弾くショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番。これも今や音楽ファンには定番。数年前、デイヴィッド・ジンマン指揮N響定期で彼女がこの曲を披露した際、息ができないくらいのあまりの集中力、あまりのヴァイオリンの冴えに
ド肝を抜かれたものですが、その直後、同曲をサロネン指揮バイエルン放送響とCD録音し、これがわが国でも
レコード・アカデミー賞を獲得したことも記憶に新しいところ。
しかし、この曲は女性奏者が時々ものすごい名演をやってのけますね。ムローヴァしかり、ハーンしかり・・・。しかしそれにしてもバティアシュヴィリのそれは際立っていますから、これはぜひご期待下さい。
さらに、我らが
小曽根真!世界に誇るジャズ・ミュージシャン。
これはごくごく単純に言って、これだけのジャズ・ピアニストがニューヨーク・フィルという本場のオーケストラとガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」を弾く!それを
日本で聴ける!という・・・これ以上、何を言うことがありますでしょう?
こうして今回の来日公演は、今のNYPの色々な面を味わうことができ、きっと愉快で高揚した気分でコンサート会場をあとに出来る公演が続くであろうと確信しています。
ぜひ楽しみにして下さい!
■チケットのお申込みはこちらから
<東京&横浜>
カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み6月6日(木)12時 ~ 10日(月)
一般発売 ●お申し込み6月15日(土)10時~
<大阪公演>
カジモト・イープラス会員限定先行受付 ●お申し込み6月16日(日)12時 ~ 19日(水)18時
一般発売 ●お申し込み6月23日(日)10時~
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