
藤倉大のアルバム"Secret Forest(NMC Records)"が、英ガーディアン紙の"Best classical albums of 2012"の一枚に選ばれました。これは、ガーディアンに寄稿しているクラシックのライターがそれぞれ自分が考える今年のベストアルバムを紹介するという企画です。以下に推薦文を紹介させていただきます。
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「The NMC Debut Discs seriesとは、向こう4年で12枚のディスクを発売するシリーズで、それぞれに英国の若手作曲家を取り上げている。今月発売されたのはHuw Watkins、Sam Hayden、そして私にとってはあまり馴染みがないDai Fujikuraだ。彼は1977年に大阪で生まれたが、既に20年以上英国に住んでいる作曲家で、既に多くの賞を受賞し、ブーレーズやドゥダメルらとも仕事をしている。
藤倉によればヨーロッパでは、彼は「日本人の作曲家」としてとらえられている。彼の音楽の耳触りの良さは特筆すべきもので、私もここに武満の系譜を感じる。しかし遅筆な英国人を自認する彼からすると、瞑想的なGong Musicは彼の自然なスタイルとは相反するもののようだ。
ともあれ、この生き生きとした東西の融合の成果が、このCDに収められている5つの作品である。Secret Forest (2008)は鳥と昆虫が織りなすノイズのイメージに彩られている--それはまるでプライベートなユートピアを探検するかのような体験を与えてくれるだろう。」
[原文]
→ 藤倉大による曲目解説
→ 藤倉大 プロフィール