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2012/12/14 | KAJIMOTO音楽日記

●続いて「ワールド・ピアニスト・シリーズ2013-2014」シリーズ会員券発売!

寒いけど澄みきった冬の夜空。ふたご座流星群は見られましたでしょうか?

さて、本日まで「ワールド・オーケストラ・シリーズ2013-2014」の先行受付でしたが、たくさんの方々にお申込みいただき、本当にありがとうございました。
今度は12月18日(火)より、「ワールド・ピアニスト・シリーズ2013-2014」のカジモト・イープラス会員限定先行受付が開始されます。今回も若きライジング・スターから現代最高の巨匠まで、様々な個性、様々な世界を体験させてくれるものになっていると思います。

詳細情報: KAJIMOTO CONCERT Vol.40

《ワールド・ピアニスト・シリーズ2013-2014》
・ ユリアンナ・アヴデーエワ(with 18世紀オーケストラ)
4月5日(金)19時 すみだトリフォニーホール
・ ユジャ・ワン
4月21日(日)19時 サントリーホール
・ ジャン=フレデリック・ヌーブルジェ
11月6日(水)19時 東京オペラシティ
・ ボリス・ベレゾフスキー
11月20日(水)19時 東京オペラシティ
・ アンドレ・ワッツ
11月21日(木)19時 東京オペラシティ
・ アンドラーシュ・シフ
2014年3月19日(水)19時 東京オペラシティ

カジモト・イープラス会員限定先行受付  ●お申し込み
12月18日(火)12時 ~ 12月23日(日)18時
一般発売  ●お申し込み
12月24日(月)10時 ~ 12月29日(土)18時


4月には、今、音楽界でもひときわ輝いている若き女性ピアニストが2人。






2010年ショパン・コンクールで45年ぶりの(アルゲリッチ以来の)女性優勝者となったユリアンナ・アヴデーエワの、一昨年秋に行われたリサイタル・ツアーでのラヴェル、プロコフィエフ、リスト編のワーグナーなど、隅々まで研究・練磨をし尽くした恐ろしいほどの完成度に達した演奏に息を飲んだことは記憶に新しいところ。その彼女がショパンに帰ってきます。しかも協奏曲2曲を、ヒストリカル・ピアノにより、さらに共演が古楽界の最高峰フランス・ブリュッヘン&18世紀オーケストラとともに。

アヴデーエワはかなり早い時期からフォルテピアノやこうした歴史的ピアノに熟達していて、昨年ワルシャワで行われた「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭でも1849年製エラール・ピアノで、まさにブリュッヘン指揮18世紀オーケストラと共演しています。ちなみにこの18世紀オケの方も遡れば、2005年にダン・タイ・ソンとこの協奏曲集を演奏してからというもの、ショパンの演奏には大変力を入れ、最新の「ナショナル・エディション」を使用して(オケ・パート、結構違います)、今度はアヴデーエワと共に、“ショパンの真の姿”の探求を続けているのです。
こうした、「思いつき」とは対極にある、練りに練ったショパンの協奏曲の“真の姿”をぜひ聴いていただければ、と思っています。


そしてこれはもう、説明の必要がないほど、今や世界を代表するスター・ピアニストのユジャ・ワン
昨年春、紀尾井ホールで行われた初の日本リサイタルでも、ファンにはよく知られた唖然とするほどの超人的技巧はもとより、例えばシューベルトのソナタなどで聴かれる、自然の息吹のように流れ、沁みる清々しい歌ごころに魅せられた方も少なくないはず。(興味をひくのが、ピアノの錚々たる大家たちがユジャのこういうところをこぞって評価していることです)
続いてつい先日のサンフランシスコ響との来日公演でも、ラフマニノフやプロコフィエフの協奏曲で圧倒的なスケールとバネのようなリズム、静謐な叙情感を両面とも惜しげもなく開陳していました。
今度のリサイタルはいよいよサントリーホール。このライジング・スターが会場を熱狂のるつぼにする様子が今から思い浮かびます。

***

秋になり11月になると、フランス若手世代の旗手の1人ヌーブルジェ、そして豪腕ヴィルトゥオーゾとして知られるあのベレゾフスキーと、アンドレ・ワッツがやってきます。



ジャン=フレデリック・ヌーブルジェが東京でリサイタルを開くのは2009年以来、4年ぶり。彼もまた一級のピアニストとして必須の、美しいタッチ、鋭く柔軟なリズム、必要十分を楽々と超える技術、研究を重ねた緻密な解釈など、すべての要素を総動員して実に完成度の高い演奏をするのがファンには知られるところで、2007年に弾いたリストのロ短調ソナタ、そして2009年に弾いたベートーヴェン「ハンマークラヴィーア・ソナタ」はちょっとやそっとじゃ忘れられない演奏でした。フランスのベートーヴェン弾きと言えば、あの往年のイヴ・ナットがいますが、この大家に共通する、幾何学的というかロジカルにというか、そうした音楽の歯切れ良い明確な展開が、前述の才と結びついて、まず20代で「ハンマークラヴィーア」(特にフィナーレのものすごいフーガ)をここまで弾ききれるピアニストはいまい・・・と思わせるほどでした。
ヌーブルジェの成長にはぜひ期待していただけたら、と思っています。



ボリス・ベレゾフスキーが昨年秋に東京オペラシティで行った、リスト「超絶技巧練習曲集」全曲演奏は圧倒的でしたね!こういう曲集は完璧に弾けなければもちろん話にならず、美しい音をもって、さらに音楽から詩情を引き出す余裕があるくらいの、まさに“超絶技巧”がなければ弾いても仕方がないわけで、この点ベレゾフスキーくらいそれにピッタリなピアニストはいません。彼はさらに、例えばベートーヴェンやブラームスのソナタなどを弾いても(意外なくらい?)非常に繊細な感覚や、しっかりとした構成感を発揮するので、そういうレパートリーもたまに聴いてみたい気もします。

いずれにしても、申し訳ありません。現在のところ、彼もまた演奏曲目未定なのですが、決定を楽しみにしていただければ、と思います。



アンドレ・ワッツという名を聞くと、何を思い出しますか?
天性のバネでおっそろしくダイナミックなリストを弾く達人?それともあたたかく静かな情緒をもってシューベルトを弾く詩人?
両方なのでしょうね。私は彼が昔バーンスタイン&ニューヨーク・フィルと録音した、ブラームスのピアノ協奏曲第2番のしなやかで新鮮な演奏が大好きなのですが、先の二面が調和して、若い頃の演奏なのに不思議な落ち着きをもっていました。

前回の来日公演でも、(彼の十八番)シューベルトの「さすらい人幻想曲」がそうでした。彼もまた演奏曲目未定なのですが、ベートーヴェンのソナタやシューマンの作品を中心に考えているようで、現在協議中です。そして多分(本当に多分なのですが)、冒頭には彼がいつも好んで取り上げる、祈りを捧げるように弾くバッハのコラールが置かれるのではないかと予想しています。これがまた良いのです。。。

***

そして真打ち・・・“真打ち”と言って良いでしょう。現代最高のピアニストの一人、アンドラーシュ・シフが3年ぶりに来日します。

*ところで先日当HPでもお伝えさせていただきましたが、カジモト・イープラス会員にご郵送させていただいたKAJIMOTO Concert誌、情報誌等に掲載されているシフの演奏会場と曲目が誤っております。正しくは
会場: 東京オペラシティ
曲目: メンデルスゾーン: 厳格な変奏曲op.54、幻想曲op.28
    シューマン: ピアノ・ソナタ第1番op.11、交響的練習曲op.13
です。




シフについても多くを語る必要はないと思いますが、今ポリーニとアルゲリッチを別格とすれば、間違いなく最高位のピアニストであり、それは最近でいえば、2008年、2011年の来日公演で有り余るほど証明され、それこそ至高の演奏を繰り広げてくれました。
J.S.バッハのパルティータや平均律クラヴィーア曲集第2巻全曲演奏会にしろ、ベートーヴェンのソナタ、シューベルト、シューマンの作品にしろ、底光りをするような深いタッチによる音色が千変万化し、静かな、本当に静かな深遠広大な宇宙に演奏家の姿は消え、作曲家の真実の声だけが純粋に響く・・・といった、それでいて、暗くなることなく、仄かな愉悦をいつも湛えているような演奏は、鍵盤芸術の粋と言ってしまってまったく過言ではない気がします。どうしてここまでの高さに到達できるのか?
“人間”としても、恐らくは日頃から厳しい練磨をしているのだろう、と思わせるシフです。人の可能性のすごさを考えさせられてしまいます。

シフにとって、シューマンは近年バッハやベートーヴェンと並んでかなり頻繁に取り上げられる作曲家ですが、メンデルスゾーンは久しぶりかもしれません。素朴に率直に美しく演奏された、かつてシフが録音した「無言歌集」は名盤としてよく知られますが、今回は同じ作曲家でもかなりシリアスな面が強く出た名品たちとなります。私的にはとても楽しみです。


今度のピアニスト・シリーズも、ぜひご期待下さい!


■チケットのお申込みはこちらまで

カジモト・イープラス会員限定先行受付  ●お申し込み
12月18日(火)12時 ~ 12月23日(日)18時
一般発売  ●お申し込み
12月24日(月)10時 ~ 12月29日(土)18時

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