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2012/12/07 |

●ソヒエフ&トゥールーズ管がパリのサル・プレイエルに登場!来日直前(でしたが昨日無事に来日)レポート (3) ~トゥールーズ管と歩んだ40年:ソロ・ティンパニ奏者にインタビュー~

ソヒエフ&トゥールーズ管が昨日、無事に日本に到着しました。いよいよ明日12/8横浜公演を皮切りに、ツアーが開始します。
パリで行った突撃取材の続きとしまして、本日はトゥールーズ管のソロ・ティンパニ奏者ジャン=ルー・ヴェルヌのインタビューをおおくりします。


~トゥールーズ管と歩んだ40年:ジャン=ルー・ヴェルヌに訊く~
By KAJIMOTOパリ・オフィス



ティンパニの背後に見える、トレードマークのふさふさの髪――ジャン=ルー・ヴェルヌには、控えめなのにとても印象的な、不思議な存在感が漂います。



彼がトゥールーズ管に入団したのは1972年、今から40年も前のこと。
今年の夏に定年を迎えたものの、音楽に対しては常に“食いしん坊gourmandise”で、トゥガン・ソヒエフとも波長が合うヴェルヌは、40年間“第二の家族”として人生を共にしてきたトゥールーズ管のツアーに、今でもしばしば参加しています。
徐々に舞台との“お別れの道”を歩んでいるヴェテランのヴェルヌにとって、今回の日本ツアーへの思い入れは人一倍。彼にとって日本は大好きな国の一つで、引退後に時間が出来たらもっともっと知識を深めてみたいと思っている国なのだそうです。

12月4日、パリのサル・プレイエルでのリハーサルを追えたヴェルヌに、楽団との思い出とソヒエフとの音楽作りについて訊きました。

―トゥールーズ管入団、40周年ですね

入団当時のシェフはミシェル・プラッソンでした。彼の、優しさと厳しさの入り混じった眼差しを今でも思い出します。プラッソンはもともとは打楽器奏者でしたので、どうすればもっと音楽的に叩くことができるのか――特にフレージング等についてアドバイスをくれ、文字通り私を“鍛えて”くれました。

―印象的なプラッソンからのアドバイスはありますか?

ティンパニ奏者はオーケストラの最後列で指揮者の“鏡”とならねばならない、と教えてくれたのもプラッソンです。そのためには「指揮する私をまっすぐ見るように」と言われました。今でもこの教えは、私の“目”の表現にとくに現れていると思います。

―新しいシェフ、トゥガン・ソヒエフとの音楽作りはいかがですか?

プラッソンと同じ位に高いレベルの音楽を要求してきますが、私にとって彼の“アプローチ”は新しいものです。“手術”されていると思えるほどの変化です(笑)リハーサル中、トゥガンはいつも打楽器セクションの雛壇を上がってきて、自ら演奏して例を示してくれます。トライアングルからタンバリンまで、全ての打楽器で、的確でふさわしい演奏方法を一緒に探るんです。「春の祭典」の公演を録音した時、私はある箇所で、通常使われるフェルト製の撥を使うつもりでいたのですが、トゥガンから、木製の撥に変えたらどうかと提案されました。初めは半信半疑だったのですが、実際に叩いてみた時に驚きました。会場の聴衆の耳に入る生の音と、録音マイクを通した時の音が、いずれもかなり良くなっていたんです。



ジャン=ルー・ヴェルヌとトゥールーズ管


―楽団生活の一番の思い出は何ですか?

即答できます。3年前にマーラーの交響曲第1番の第3楽章で、コントラバス・ソロとティンパニ・ソロの“対話”を演奏した時に得た、不思議な感覚と感動です。二つの楽器の演奏が完全に一致して、何とも言えない強い想いがこみあげたのを覚えています。というのも、コントラバス・ソロを務めたのは私の実の息子のダミアン=ルー(訳注:現在もトゥールーズ管のソロ首席コントラバス奏者)だったんです。あの曲で初めて、彼のソロと私のソロの対話が実現しました!

―確かに、お顔が似ていらっしゃいます(笑)親子だったんですね!日本ツアーでのお二人の活躍、楽しみにしています。

有難うございます!

***


トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 2012年12月 来日ツアー
トゥガン・ソヒエフ(指揮)
諏訪内 晶子(ヴァイオリン)

■2012年12月8日(土・祝) 19:30 横浜/横浜みなとみらいホール 【プログラムB】
【問】横浜みなとみらいホール 045-682-2000

■2012年12月10日(月) 19:00 東京/サントリーホール 【プログラムA】
【問】カジモト・イープラス 0570-06-9960

■2012年12月11日(火) 18:45 名古屋/愛知県芸術劇場コンサートホール 【プログラムC】
【問】中京テレビ事業 052-957-3333

■2012年12月13日(木) 19:00 新潟/りゅーとぴあ コンサートホール 【プログラムA】
【問】りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521

■2012年12月14日(金) 19:00 京都/京都コンサートホール 【プログラムD】
【問】京都コンサートホール 075-711-3090


【プログラムA】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 op.61 (ヴァイオリン:諏訪内 晶子)
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ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

【プログラムB】
バラキレフ(リャプノフ編曲): 東洋的幻想曲「イスラメイ」
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
   ***
リムスキー=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」 op.35

【プログラムC】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
ラヴェル: ボレロ
   ***
ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

【プログラムD】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 op.61 (ヴァイオリン:諏訪内 晶子)
   ***
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル: ボレロ


トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 プロフィール

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