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2012/11/19 | KAJIMOTO音楽日記

●ソヒエフ&トゥールーズ管のストラヴィンスキー祭り!!(3)~ソヒエフの“たぐいまれなエレガンス”“限りない優雅さ”

本連載ではソヒエフ&トゥールーズ・キャピトル国立管(ONCT)の熱き「ストラヴィンスキー・プロジェクト」を振り返っておりますが、
(復習しますと、)彼らは10月末に、まずストラヴィンスキーの《プルチネルラ》《詩編交響曲》《結婚》をコンサート形式で演奏。その直後に、トウ―ルーズ・キャピトル劇場にて、同劇場バレエ団との共演で、この3作のバレエを上演しました。
先日ご紹介した動画をまだご覧になっていない方は、まずこちらからどうぞ!

ONCTのストラヴィンスキー・プロジェクト(コンサート形式)を観る(ARTEサイト)
※《プルチネルラ》《詩編交響曲》《結婚》です

本日は、10月20日にバレエ上演に先だって行われたこのコンサート形式の公演のレビューを、ご紹介したいと思います。


<レビュー>


このようなプログラムが期待できるのだから、トゥールーズという都市は稀である――《プルチネルラ》《詩編交響曲》《結婚》という、きわめて演奏機会の少ないバレエ作品 [注1] が並んだのだ。
(略)オードブルは《プルチネルラ》で、この作品の全てのニュアンスを熟知したトゥガン・ソヒエフが、たぐいまれなエレガンスでもってリードしていく。トゥールーズ・キャピトル国立管(ONCT)はマエストロからの要求に敏活さとユーモアで応え、いかなる時も完璧な演奏を展開した。(略)
《詩編交響曲》では、その壮大さによってオーケストラと合唱団が更なる高みへと昇った。(略)この壮大な音楽を、ソヒエフは限りない優雅さで指揮する。その素晴らしい両手が、合唱から多様なニュアンスの音響を引き出していくのだ。ヴァイオリンもヴィオラもないオーケストラと、基本4管ずつの木管と金管、そして2台のピアノとティンパニが、繊細な和声ときわめて新しい音色の組み合わせを生んでいく。(略)



卓越した音楽性が展開されたのち、休憩中にはオーケストラの編成がまたしても変わり――3作のうち最も変わった編成である――、舞台の中央には4台のピアノ、舞台の奥には多くの打楽器が準備された。(略)“結婚”をめぐるこのファルス(茶番劇)の声楽パートには、擬音語を含む想像を超える超絶技巧がちりばめられている。(略)ソヒエフは音色という点において高度なこの作品を、まばたき一つせずにコントロールしてみせ、奏者たちを巧みに鼓舞した。(略)ソヒエフはバレエ作品の指揮において偉大であり、熱狂的な創意にあふれたストラヴィンスキー作品が、彼によって理想的な演奏に近づいたといえる。(後略)
 

Hubert Stoecklin
原文(「http://www.classiquenews.com」 2012年10月25日 原文URL



トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 2012年12月 来日ツアー
トゥガン・ソヒエフ(指揮)
諏訪内 晶子(ヴァイオリン)

■2012年12月8日(土・祝) 19:30 横浜/横浜みなとみらいホール 【プログラムB】
【問】横浜みなとみらいホール 045-682-2000

■2012年12月10日(月) 19:00 東京/サントリーホール 【プログラムA】
【問】カジモト・イープラス 0570-06-9960

■2012年12月11日(火) 18:45 名古屋/愛知県芸術劇場コンサートホール 【プログラムC】
【問】中京テレビ事業 052-957-3333

■2012年12月13日(木) 19:00 新潟/りゅーとぴあ コンサートホール 【プログラムA】
【問】りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521

■2012年12月14日(金) 19:00 京都/京都コンサートホール 【プログラムD】
【問】京都コンサートホール 075-711-3090


【プログラムA】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 op.61 (ヴァイオリン:諏訪内 晶子)
   ***
ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

【プログラムB】
バラキレフ(リャプノフ編曲): 東洋的幻想曲「イスラメイ」
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
   ***
リムスキー=コルサコフ: 交響組曲「シェエラザード」 op.35

【プログラムC】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
ラヴェル: ボレロ
   ***
ベルリオーズ: 幻想交響曲 op.14

【プログラムD】
ベルリオーズ: 序曲「ローマの謝肉祭」 op.9
サン=サーンス: ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 op.61 (ヴァイオリン:諏訪内 晶子)
   ***
ストラヴィンスキー: バレエ「火の鳥」組曲(1919年版)
ラヴェル: ボレロ


トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団 プロフィール

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