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2012/09/10 | エル・システマ

【エル・システマ通信】“生きる為に音楽をする”――藤倉大、シモン・ボリバル弦楽四重奏団を語る

ドゥダメル指揮シモン・ボリバル交響楽団へ新作を提供したことがあり、ベネズエラでその初演にも立ち会った作曲家・藤倉大より、シモン・ボリバル響のトップ奏者から成る「シモン・ボリバル弦楽四重奏団」の10月の来日に寄せてメッセージが届きました。


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「Tocar y Luchar」(play and fight/奏でよ、そして闘え)のモットーで始まり、ドゥダメルを生んだエル・システマ。同名の作品を僕は彼らに書き、その世界初演に向けてカラカスで一緒に音楽作りをしたのですが、その時に一番感動したのは、彼らは「生きる為に音楽をしている」、という事です。これまで、いろいろなプロのオーケストラと仕事をしてきましたが、やはりビジネス面の事やら、金銭的な面、だとか、音楽そのものと無関係な事で時間を費やす、無駄にする事も少なくありません。カラカスでシモン・ボリバル(*)の演奏家との音楽作りをした時は、「どうして僕らは音楽をやっているのか、始めたのか」という音楽そのものへの愛情と喜び、そして僕が5歳の時に音楽を始め、数年後に「プロの作曲家になって全人生を音楽に捧げたい!」と思った時の感情の原点に戻った感じがしました。そう思わせる事ができるのは、世界中を探してもシモン・ボリバルしかありません。その彼らの日本公演も貴重な体験になるに間違いありません。是非聴きに行ってみてください。

 

藤倉大 2012年9月


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ぜひ紀尾井ホールで彼らの演奏を体験してください!


(*) シモン・ボリバル……ベネズエラを含むラテンアメリカのスペインからの独立解放・統一に生涯を捧げた革命家・思想家。ベネズエラにおいて「シモン・ボリバル」の名が冠されることは最高位であることを意味する。現在、エル・システマから生まれた音楽団体で「シモン・ボリバル」の名を持つのは「シモン・ボリバル交響楽団」、「シモン・ボリバル弦楽四重奏団」、「シモン・ボリバル・ブラス・クインテット」の3つのみである。


◆2012年10月17日(水)19:00 開演
~Venezuelan Cultural Week 2012/El Sistema Festival 2012-13~
<会場>紀尾井ホール
<出演>シモン・ボリバル弦楽四重奏団
ドヴォルザーク: 弦楽四重奏曲「アメリカ」
ショスタコーヴィチ: 弦楽四重奏曲第8番
ヒナステラ: 弦楽四重奏曲第1番 他
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◆2012年10月20日(土)開演15:00
村治佳織Classy Selection in 鎌倉芸術館 Vol.4
<会場>鎌倉芸術館
<出演>村治佳織(ギター)/シモン・ボリバル弦楽四重奏団
<曲目>
ボッケリーニ: ギター五重奏曲 第4番 ニ長調 G.448「ファンダンゴ」
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ギターと弦楽のための五重奏曲 op.143 ほか
【問】鎌倉芸術館チケットセンター 0120-1192-40
詳細

◆2012年10月21日(日)開演15:00
村治佳織&シモン・ボリバル弦楽四重奏団コンサート
<会場>岡崎市シビックセンター
<出演>村治佳織(ギター)/シモン・ボリバル弦楽四重奏団
<曲目>
ドヴォルザーク :弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96「アメリカ」
カステルヌォーヴォ=テデスコ:ギターと弦楽のための五重奏曲 op.143 ほか
【問】岡崎市シビックセンター 0564-72-5111
詳細

◎シモン・ボリバル弦楽四重奏団 メンバー
ヴァイオリン: アレハンドロ・カレーニョ、ボリス・スアレス
ヴィオラ: イスメル・カンポス
チェロ: アイモン・マタ


藤倉 大 プロフィール
シモン・ボリバル弦楽四重奏団 プロフィール
 

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