
今年、生誕100年(そして没後20年)を迎えるジョン・ケージへのトリビュートとして、BBCプロムスは10人の作曲家にロイヤル・アルバート・ホール周辺の場所からインスパイアされた新作を委嘱しています。
その一人として藤倉大が作曲したケージへのオマージュ作品「I Dreamed On Singing Flowers」の配信が、BBCプロムスのサイトでスタートしました!
■配信元
http://promsmusicwalk.co.uk/audioclip/i-dreamed-on-singing-flowers/⇒
Download this track をクリックしてください
(委嘱を受けた全10人の作曲家の作品リストはこちら)藤倉大からのメッセージは以下の通りです。
「I Dreamed On Singing Flowers」をiPodなどの携帯プレーヤーにダウンロードし、散歩しながら聴いてみてください!
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この作品は生の楽器による演奏を含まない純粋な電子音楽で、BBCプロムス2012から委嘱されました。ジョン・ケージの生誕100周年記念のトリビュート・コンサートのための作品です。ロイヤル・アルバート・ホール近くのケンジントン・ガーデンやプリンセス・ガーデンを散歩しながら、イヤホンで聴く音楽としてデザインしました。
この作品を作るにあたっては2つの音源のみが元となっており、これらのサウンドをいろいろプロセスし、音の素材を作り、積み上げていきました。その2種類の音源とは、笙によって演奏されるひとつの和音とロイヤル・アルバート・ホールの周りで僕が録音した音です。遠くから鳥の鳴き声が聞こえることもあれば、離れた車の騒音が作品全体のテクスチャーのベース音の役割を担ったりします。その間、スペクトラル・ディレイなどで作られた笙の倍音が飛び回ります。
僕もケンジントン・ガーデンの中でこの作品を聴いてみましたし、そしてロンドン南東部にある自分の家の近くの公園でも聴いてみました。このトラックをイヤホンで聴くと、この作品の中の音が、実際に聴こえている公園にいる鳥から発せられる鳴き声、目の前を走る車の騒音、子どもが公園で遊んでいる音といった、現実世界の音と作品の音がブレンドされて聞こえてきます。ケンジントン・ガーデンや、あるいはひょっとして、あなたの国のあなたの家の近くの公園を散歩しているとき、この作品がどんな風に聞こえるか楽しみです。
藤倉大
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藤倉 大 プロフィール